2000 Fiscal Year Annual Research Report
在宅脳卒中患者が受ける介護量に影響を与える介護者側の要因の検討
Project/Area Number |
12832046
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
佐直 信彦 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (50004974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 善久 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 講師 (90326744)
園田 啓示 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助教授 (30316426)
森山 早苗 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (90100148)
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Keywords | 脳卒中 / 在宅 / 生活時間 / 介護 / 居宅生活支援 |
Research Abstract |
目的:生活時間は基本的生活時間(睡眠、食事、身辺処理)、社会的生活時間(労働、余暇)、移動(外出等)、医療、休息・他に大別される.(1)在宅介護の視点からは、介護者にとって介護時間は社会的生活時間に属し、被介護者の心身機能と介護者の介護能力や介護以外の生活への時間配分で決まるものと仮定し、介護者の生活時間構造を明らかにする.(2)在宅脳卒中患者の介護に携わっている家族の生活時間及び介護負担感に影響する要因(患者、介護者の心身機能)について分析する.対象及び方法:介護保険で要支援・要介護と認定された在宅脳卒中患者の家族介護者46例(妻30、夫10、娘3、嫁3、年齢63.8±11.0歳)を対象とした.患者が在宅している1日を選び、15分の等時間間隔で介護者の活動行動を自己申告法で調査した.調査は2000年10月に行った.被介護者の患者の性別は男32例、女14例、年齢69.7±8.3歳、経過期間8.0±5.1年、要介護度は要支援2、要介護1-8、2-14、3-8、4-6、5-8例であった.結果:基本的生活時間583.0±74.3分、社会的生活時間669.0±106.3分、移動25.9±39.1分、医療4.6±17.9分、休息・他20.2±39.2分、介護時間137.8±104.4分.介護時間は自己申告の介護時間とは正の、外出可能時間とは負の有意な相関があり、睡眠が中断される者、ショートステイの利用者で多くなっていた.介護時間は社会的生活時間(労働)、睡眠、移動と負の有意な相関があった.労働と余暇は有意な負の相関があった.結論:(1)生活時間構造は自己申告の介護に関わる情報内容とは矛盾しない.介護時間の増加は社会的生活、睡眠、移動の時間の減少となっていた.(2)患者の心身機能の低下は介護時間を増加させるが、介護負担感には直接的に影響しない.介護負担感は介護によって余儀なくされる生活時間の配分、拘束に依存し、介護者の心身の変調とは相互作用の関係が示唆された.
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