2002 Fiscal Year Annual Research Report
在宅脳卒中患者が受ける介護量に影響を与える介護者側の要因の検討
Project/Area Number |
12832046
|
Research Institution | TOHOKU BUNKA GAKUEN UNIVERSITY (TBGU) |
Principal Investigator |
佐直 信彦 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (50004974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大黒 一司 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助手 (10326746)
佐藤 善久 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 講師 (90326744)
森山 早苗 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (90100148)
|
Keywords | 脳卒中 / 生活時間 / 介護時間 / 介護負担感 / 居宅生活支援 |
Research Abstract |
介護者及び被介護者はおのおの独立した生活者であり、介護に関わる事象は両者の関係性で決まる.生活時間調査は人間行動を時間という定量的尺度で、個体と環境の接点で総体として客観的に評価が可能である.本研究では、介護に焦点を当てて、1日の時間配分の視点から介護者の生活時間構造を明らかにし、介護時間及び介護負担感に影響する介護者と被介護者の身体的精神的要因、在宅支援要因等について分析した.調査対象はT病院リハ外来に通院中の脳卒中患者(被介護者)と主たる介護者52組に同意を得て調査した.生活時間調査の不備4例を除外した48例のうち、分析対象は2日間のうちすくなくとも1日が両者とも在宅の40例とし、包括的に分析した.以下の結果を得た. 1.今回対象介護者の生活時間を国民生活時間調査による平日の国民全体と単純比較すると、介護者の睡眠、余暇は減少し、労動と介護の和は国民全体の仕事・家事の和より多くなっていた. 2.生活時間調査による介護時間は1日24時間のなかで他の行為に要する時間との配分で決まり自ずと上限がある.これに対し、自己申告の介護時間は日常生活動作の自立度を勘案して、主観的に必要と設定した時間の積算で決まり、時間配分の上限が稀薄になっている. 3.介護時間は被介護者の標準ADLや半側無視などの身体機能と介護者側の心身機能と関連していた.一方、介護負担感は介護者のうつ状態と睡眠の中断、被介護者の手段的自立の低下が関連していた. 4.デイサービスでは、その利用のために必要な介護は増加するものの、利用の間は自由裁量の時間が増加した.一方、訪問サービスでは、共同作業の時間(労働、介護)が増加し、余暇時間は減少した. 成果報告書では、以上の結果に考察を加え論述する.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 佐直信彦, 佐藤久義: "在宅脳卒中患者の介護に関する研究その3:居宅支援サービス利用による生活時間構造の変化"リハビリテーション医学. 39巻. S222-S222 (2002)
-
[Publications] 佐直信彦: "脳卒中リハビリテーションにおける合併症"綜合臨床. 51巻. 3180-3180 (2002)
-
[Publications] 岩谷力, 佐直信彦, 飛松好子: "運動障害のリハビリテーション"南江堂. 275 (2002)