2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12833002
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
冨澤 伸行 岩手大学, 農学部, 助教授 (00217530)
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Keywords | 同種凍結神経移植 / 末梢神経 / シュワン細胞 / 犬 |
Research Abstract |
・ビーグル成犬シュワン細胞の培養 我々は,犬の神経損傷に対して同種凍結神経移植に培養自家シュワン細胞を併用することで,より早い機能回復を目指している。今回、成犬シュワン細胞の培養法と培養シュワン細胞の同種凍結神経移植片内での生存性について検索した。 成犬シュワン細胞の培養はCaldeon-Martinezら(2002)の方法に基づいて行った。まずはじめに,無菌的に採材したビーグル成犬の坐骨神経から結合組織や神経上膜を可能な限り除去し,ハサミで約1mm^3の大きさに細切した。次に,細切した神経組織を10%FCS添加DMEM内で2週間explantationを行った後,ディスパーゼとコラゲナーゼで酵素処理を行い細胞を分散させた。この際,混入する線維芽細胞はAra-Cの使用と,シュワン細胞と線維芽細胞のディッシュへの接着性の違いを利用した方法で除去した。ただし,線維芽細胞を100%除去することは困難であった。その後,フォルスコリンを使用してシュワン細胞を増殖させた。本法に基づいて得られた細胞は免疫染色でシュワン細胞のマーカーであるS100B抗体陽性であることが確認された。さらに,本培養細胞浮遊液を同種凍結神経に注入し,培地内でインキュベート(37℃,10%CO_2,7日間)した結果,移植片内には多数のシュワン細胞が生存していることが確認された。 以上の結果より,Calderon-Martinezらの方法が成犬シュワン細胞の培養に応用できること,またこの方法で培養されたシュワン細胞を同種凍結神経束内に注入すると,生きた自家シュワン細胞を持った移植片として使用可能であることが示された。
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