2000 Fiscal Year Annual Research Report
大自由度非線形力学系における階層構造と間欠性に起因する複雑な運動に関する研究
Project/Area Number |
12834012
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
秦 浩起 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (30212145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 政義 鹿児島大学, 理学部, 教授 (80041234)
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Keywords | 大自由度カオス / オンオフ間欠性 / 力学的ガラス / カオス的遍歴現象 / 異常拡散 / リアプノフ解析 / フラクタル次元 / 火山 |
Research Abstract |
主に、大自由度非線形力学系について、大自由度カオスや多数のアトラクターの共存状態を、不変構造と間欠性の視点から研究を行った(詳細は何れも論文投稿中か準備中)。 1.大自由度非線形力学系が示す、不変多様体M_i,(i=1,2,...,N)近傍間の遍歴運動を、オンオフ間欠性の視点から明らかにした。特に、任意の時系列x(t)を、オンオフ間欠性の特性時間γ_L、不変多様体上のカオスの相関時間γ_Cに対しγ_C≪γ≪γ_Lなる時間γに渡って粗視化すると、x(t)で直接捉えられない間欠的遍歴運動が見えてくることを示した。 2.非線形ポテンシャル中の2粒子が相互作用するモデル力学系を用い、高次元保存力学系においても不変多様近傍にオンオフ間欠性に類似の運動があることを見いだした。 3.空間的には非周期的パターンを持ち、時間的には周期的であるアトラクターが多数共存する状態は力学的ガラスと呼ばれる。そのリアプノフスペクトルΛ_i,(i=0,1,2,...)が、システムサイズLに対しΛ_i〜(i/L)^2というスケーリング形を示すことを見いだした。次にノイズに対する応答を研究し、ノイズ強度が敷居値σ_cを越えたとき,空間パターンの特徴的なモードの位相θ(t)が異常拡散<(θ(t)-θ(0))^2>〜t^α,α>1を示す(<・・・>は初期状態に対する統計平均である)ことを見いだした。また、その機構を相空間におけるアトラクターの共存構造から解明しつつある。 4.桜島(鹿児島の火山)の爆発は間欠的現象である。そのデータをカオス時系列解析(フラクタル次元等)の視点から研究し、その統計特性を調べた。
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