2000 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌撹乱物質の学習・記憶ならびに情動行動を主とした中枢神経機能に及ぼす影響
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12836011
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 樹三裕 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (50192399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷山 紘太郎 長崎大学, 医学部, 教授 (70030898)
山下 康子 長崎大学, 医学部, 助手 (80291532)
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Keywords | TCDD / ビスフェノールA / 中枢神経機能 / 脳室内投与 / 運動活性 / ラット脳 / 摂食量 / 飲水量 |
Research Abstract |
これまでに、我々はダイオキシン(2、3、7、8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン;TCDD)に比較的反応しにくい系であるWistar系雄性ラットで、かつ成体を用いて、TCDD1μg/kg/weekを経口投与し、摂食・飲水・運動活性を20週間にわたり検討した結果、TCDD投与群は対照群に比べ、概して運動量の増加が認められ、かつ摂食量および飲水量に関与しない体重増加の有意な抑制を認めてきた。そこで、中枢神経機能に及ぼすTCDDの影響をより直接的にかつ定量性をもって検討するために、SD系ラットの新生仔(生後10日目)の脳室内に脳定位固定装置を用いて、TCDD20ng/2μlを2分間かけて注入し、1分間そのまま針を留置することにより微量注入した。対照群には、同量の溶媒投与群ならびに人工脳脊髄液投与群をおいた。測定は、生後4週齢より12週齢にかけて隔週ごとに摂食・飲水・運動活性測定装置に入れ、経時的に各パラメーターを測定した。結果は雌雄別に解析した。現在まだ進行中で、例数を追加中であり統計処理にまで至っていないが、雌性SDラットにおいてこの投与量で、溶媒投与群に比べ運動量の増加傾向が認められている。なお、この用量のTCDDでは体重増加抑制傾向は認められず、運動活性増加作用の方が感受性が高い可能性があるが、現時点ではまだ検討中である。例数の追加とともに今後用量の増減を行う。さらに、ビスフェノールAの細胞毒性について、培養細胞を用いて現在検討中であり、いくつかの結果が出ているがまとまりしだい発表する。
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