2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12837007
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
鮎川 潤 金城学院大学, 現代文化学部, 教授 (90148784)
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Keywords | 保護観察 / 少年非行 / 外国人対象者 / 保護司 |
Research Abstract |
保護観察、矯正などの司法分野での調査は容易ではないが、幸いに名古屋保護観察所の協力に基づき、国内の予定の調査について順調に終了することができた。2000年6月現在名古屋保護観察所管内すなわち愛知県でブラジル人ならびにペルー人少年の保護観察を担当している保護司に対するインタビュー調査を、金城学院大学大学院文学研究科社会学専攻の大学院生の協力を得て、無事終了することができた。外国人担当保護司が県内に散在し、その人たちのスケジュールに合わせて調査を進める必要があったため、調査は当初予定されていた2000年8月ばかりではなく9月ならびに2001年3月にまでの長期間におよび、外国人少年担当保護司の90%以上にインタビューを行うことができた。 その内容については、2001年度に行う後半の調査と合わせて報告する予定であるが、言葉の問題が大きな壁になっていること、往訪と来訪ならびに電話によるその約束を確保するのに保護司が苦労していること、外国人少年に安定した仕事が得られにくいことの影響などが、保護観察が順調に進むか否かの鍵として重要であることが明らかになってきた。ただし、個別のケースによってかなり差異が見られることが明確化されたのが大きな成果である。例えば、日本語能力に長け、日本人をメンバーとする暴走族のリーダーをつとめる少年も存在する。 また、外国人少年に対する保護観察へのサポート体制の不足によってはボランティアで活動を行っている担当保護司の士気に全体として大きな影響を与えうることが発見されたことも調査の重要な成果の一つである。
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