2002 Fiscal Year Annual Research Report
油糧資源の超高度有効利用――酵素による構造脂質の合成――
Project/Area Number |
12839004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山根 恒夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70026102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 秀雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00237348)
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Keywords | 構造脂質 / キラル脂質 / リパーゼ / ホスホリパーゼD / 高度不飽和脂肪酸 / エステル転移反応 / ホスファチジルセリン / ジアシルグリセロール |
Research Abstract |
交付申請書に記載した研究実施計画に従って研究を行い、以下のような成果を得た。 1.トリアシルグリセロール構造脂質の酵素合成 Candida antarctica由来の固定化リパーゼ(Novozym 453)はトリカプリリンとエイコサペンタエン酸(EPA)とのアシドリシス反応で、不十分ではあるが、1,2-dioctanoyl-3-eicosapentaenoyl-sn-glycerol(C_8C_8EPA)を優先的に生成することがわかっている。この反応で、中間体としてジアシルグリセロール(DAG)を生成するので、これを分離し、R(+)-1-phenylethyl isocyanateによって誘導体に導きシリカゲルカラムHPLCで分離したところ、1,2-dioctanoly-sn glycerol(1,2-DAG)が多かった。そこで、トリカプリリンのメタノリシス反応を実施し、多量の1,2-DAGを生成させ、これを分離して、EPAとエステル化反応を行うことにより、反応率12.4%でee52%のC_8C_8EPAを得ることに成功した。これは世界的に見てもチャンピオンデータである。 2.リン脂質型構造脂質の酵素合成 ドコサヘキサェン酸(DHA)を13%含む卵黄レシチンとL-セリンとのホスホリパーゼDによるホスファチジル基転移反応により、DHA含有ホスファチジルセリンが高収率で合成できた。 一方、ホスホリパーゼA_2を用いてDHAをリン脂質のsn-2位に導入する反応を種々の条件で試みたが成功しなかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Iwasaki, T.Yamane: "Phospholipases in Enzyme Engineering of phospholipids for Food. Cosmetics, and medical Applications in "Lipid Biotechnology"chap 20"Marcel Dekker. Inc., New York. 716 (2002)