2002 Fiscal Year Annual Research Report
アセトン・ブタノール発酵による環境調和的資源循環型エネルギー生産システムの構築
Project/Area Number |
12839014
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 元太 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (40291512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高崎 講二 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (30154769)
園元 謙二 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (10154717)
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Keywords | バイオディーゼル / アセトンブタノール発酵 / 焼酎蒸留廃液 / 生ゴミ / Clostridium / 調理用廃油 / 抽出発酵 / 環境 |
Research Abstract |
家庭から排出される食用廃油(Used Cooking Oil; UCO)をメチルエステル化したUCOE(Used Cooking Oil metylester)を抽出剤としたアセトン・ブタノール抽出発酵を行い、オレイルアルコールを抽出剤とした場合より高いブタノール生産速度及びブタノール収率を得ることを明らかとした。さらに本アセトン・ブタノール発酵の最も大きな課題である生産物阻害に関する知見を得るために、生産物阻害についての検討を行った。ブタノール濃度を種々に調製して加えることにより、最大の阻害物であるブタノールによる菌体増殖やブタノール生産性に対する影響を検討した。その結果、培養液中のブタノール濃度が7〜8(g/l)に達するまで菌体増殖や生産性は維持された。従って、抽出剤によりブタノール濃度を7(g/l)以下に維持することにより、本発酵を効率よく行うことが可能であるということが示唆された。一方、本アセトン・ブタノール発酵は、ブタノール以外にアセトンが副生産される。抽出発酵を行う場合、抽出剤に対するブタノールとアセトンの分配係数が異なる(アセトンの方が小さい)ために長時間の培養では副産物であるアセトンが培養液中に蓄積してくることが観察された。アセトンも回分培養時の3(g/l)のような低濃度ではほとんど影響を及ぼさないが、それ以上の高濃度では増殖や生産物生成に阻害を及ぼす。従って、抽出発酵により連続的に発酵を行う場合には、ブタノールの影響のみならず、アセトンの影響も考慮する必要があることを明らかとした。
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