2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12839015
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
菅沼 俊彦 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90117515)
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Keywords | サツマイモ / 糖質資源 / 酵素処理 / 澱粉粕 / 多糖分解酵素 / 食物せんい / プロトペクチナーゼ / アラビナナーゼ |
Research Abstract |
本研究は、サツマイモ澱粉粕を多糖分解酵素により、直接可溶化して、高品質の食物繊維や機能性オリゴ糖に変換する事を目的としている。そして、既にアルカリ性アラビナナーゼ活性が強いプロトペクチナーゼ(M4酵素)を生産する細菌(Bacillus sp.M4)を土壌より分離している。今年度はまず、(1)サツマイモ澱粉粕の細胞壁多糖(CWM)の特徴を把握するため、キャッサバとジャガイモの澱粉粕の多糖成分と比較した。その結果、サツマイモ澱粉粕の特徴としてはペクチン含量が高く、したがって、酸性糖であるウロン酸含量も高かった。多糖成分の植物種による特徴はヘミセルロース画分に現れ、サツマイモではグルコースが最も多く、キャッサバでは微量のフコースが認められ、ジャガイモではガラクトース含量が60%に達した。(2)M4酵素を、サツマイモ、キャッサバ、ジャガイモの澱粉粕(CWM)に作用させ、可溶化してくる糖の糖組成をHPAEC-PAD法で分析した。その結果、M4酵素は3種の根菜植物の澱粉粕を分解し、20-30%の可溶化糖を生じた。その糖組成は、ウロン酸と中性糖を含み、糖組成はペクチン画分そのものであった。したがって、本酵素は澱粉粕の細胞壁プロトペクチンに作用して、可溶化するプロトペクチナーゼであり、澱粉粕を酵素処理して食物繊維と機能性オリゴ糖に変換する目的に適した酵素であることを明らかにできた。 なおこれらの成果については以下の通りである。 ・アメリカ化学会のJ.Agr.Food Chem.,48,3448-3454(2000)に論文発表 ・国際イモ類学会ISTRC2000(Tsukuba)で口頭発表して、ベストペーパー賞受賞 ・日本農芸化学会2001年度大会(京都3月)で口頭発表
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Research Products
(1 results)
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[Publications] L.D.Salvador: "Monosaccharide Composition of Sweetpotato Fiber and Cell Wall Polysaccharides from Sweetpotato, Cassava, and Potato...."Journal of Agricultural and Food Chemistry. 48(8). 3448-3454 (2000)