2000 Fiscal Year Annual Research Report
NADH oxidase系の導入による微細藻類炭酸固定能の強化
Project/Area Number |
12839018
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
新村 洋一 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (00180563)
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Keywords | NADH oxidase / 微細藻類 / 炭酸固定 / ランソウ / Amphibacillus / AhpC / Synechocystis |
Research Abstract |
著者らは、呼吸鎖と過酸化物分解酵素を欠如する好気性菌(Amphibacillus)に過酸化水素と余剰酸素を同時に除去する新規の酵素系(NADH oxidase-AhpC系)を見い出した。本酵素系は非常に高い過酸化水素分解活性を有す。本申請はこの酵素系を葉緑体で発現させ、光合成反応中に生じた過酸化水素と余剰酸素の効率的除去による炭酸固定能の強化法開発を目的としている。本申請では、葉緑体モデル系としてAhpCタンパク類似遺伝子が発見されたランソウSynechocystis sp PCC6803を用いる。 1.ランソウのAhpC類似タンパク遺伝子のクローニングと発現 Synechocystis sp PCC6803の染色体DNAを調製し、PCRクローニング法によりAhpCタンパク類似遺伝子をクローニング後、発現ベクターpTrac99Aに導入し大腸菌にて発現させた。この大腸菌を多量培養し同タンパクを精製し、ランソウAhpCタンパクを取得した。 2.ランソウのAhpC類似タンパク電子伝達活性および、過酸化物分解活性の検討 細菌A.xylanus NADH oxidaseのランソウAhpCに対する電子伝達活性は低かった。しかし、ランソウの無細胞抽出液中にはランソウのAhpCとNAD(P)H存在下で、過酸化アルキルを分解する活性が検出された。さらに、AhpC非依存性の分解活性も検出された。以上のことから、ランソウでは、細菌と異なるタイプの酵素系がAhpCを還元すること、さらに過酸化物分解系としてAhpC非依存性の酵素系も存在することが示唆された。A.xylanusのNADHoxidase-AhpC系をランソウで発現させた場合、これらの酵素系と競合する可能性がある。そこで次年度はランソウのAhpC依存、非依存性の過酸化物分解酵素系の代謝化学的検討をおこなう。 3.ランソウSynechocystis sp PCC6803における遺伝子導入系の開発 遺伝子導入系がすでに確立されているSynechocossus sp.PCC7942と大腸菌とのシャトルベクターを基にSynechocystis sp PCC6803染色体DNAの一部を組み込んだ同菌における遺伝子発現ベクターを構築中である。次年度はこれを相同組み替え法にて遺伝子導入する予定である。
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Research Products
(1 results)