2000 Fiscal Year Annual Research Report
線分パターンを用いたTransparent Motionの研究
Project/Area Number |
12871013
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
市原 茂 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90137018)
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Keywords | transparent motion / 線分パターン / orientation / direction |
Research Abstract |
二つのランダムドットパターンを重ね合わせて別々の速度で同一方向に運動させたり、あるいは、同一の速度で別々の方向に運動させると、二つのパターンが透明な二枚の膜上を運動しているような印象を受ける。これを、transparent motionという。今回は、ランダムドットではなく、ランダムに配列された線分パターンを用いて同様の実験をし、線分パターンの方位と端点の動きの方向がtransparent motionに与える影響について探った。実験は二つ行われた。実験一では、二つのパターンの運動方向を同一方向に固定し、方位差を実験変数とした。二つのパターンの速度を変え、どれくらいの速度差の時にtransparent motionが生じるのかを評定法により探った。実験二では、これも方位差を実験変数としたが、速度は固定した。従属変数は、運動方向の差とし、どれくらいの方向差の時にtransparent motionが生じるのかをみた。いずれの実験においても方位差の効果はみられなかった。実験一では、いずれの場合も速度差が0.5deg/Sくらいになるとtransparent motionが生じ、実験二では、運動方向がわずか一度か二度ずれるだけでtransparent motionが生じた。今回、線分の方位差の効果が見られなかったのは、transparent motionの強さを測定する実験方法にも問題があるようにも思えた。そこで、次回は、ノイズパターンを挿入し、ノイズパターンの強度を従属変数にして、transparent motionの生じやすさを測ってみることにした。現在、その実験を準備中である。
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