2001 Fiscal Year Annual Research Report
健常者の幻覚様体験の研究:精神分裂病の幻覚との比較研究と因果的発生研究
Project/Area Number |
12871015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹野 義彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60179926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 琢磨 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (70323920)
望月 聡 筑波大学, 心理学系, 講師 (30313175)
中安 信夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70126134)
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Keywords | 精神分裂病 / 幻覚 / 妄想 / 質問紙法 |
Research Abstract |
幻聴体験をはかる質問紙法(ヒアリングボイス質問紙)を作成し,その信頼性と妥当性を確かめた。次いで,「侵入思考を感じたときに,それを誤って帰属するためにヒアリングボイスが生じる」というMorrisonら(2000)の仮説について検討した。素因-ストレス型の縦断調査(パネル調査)をおこない,因果関係を推論できる準実験のパラダイムを用いた。健常者を対象として,2週間の間をおいて2回の調査をおこなった。第1回目の調査では,ヒアリングボイス質問紙と,幻覚への素因(思考統制方略質問紙,メタ認知的信念質問紙,幻覚への態度質問紙)に回答させた。第2回目の調査では,ヒアリングボイス質問紙と,調査間におこった侵入思考の質問紙(苦痛思考質問紙)を回答させた。第2回目のヒアリングボイス質問紙得点を標的変数として,階層的重回帰分析をおこなった。つまり,第1回目と2回目のヒアリングボイス得点の変化を用いて,素因とストレスの交互作用効果が有意であるかをみた。その結果,幻覚への態度質問紙を素因とした場合に交互作用が有意であった。すなわち,幻覚への許容的態度が高い被験者は,侵入思考を多く体験すると,ヒアリングボイスを多く体験することがわかった。これは準実験的な方法であり,単なる相関関係ではなく,幻覚への態度がヒアリングボイス体験に及ぽす因果関係を確かめることができた点で意義が高い。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 丹野義彦: "妄想と幻覚の認知モデル"精神科診断学. 第12巻. 131-147 (2001)
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[Publications] Ishigaki, T., Tanno, Y.: "Classification of auditory hallncination and cognitive therapy"2001 World Congress of Behavioral and Cognitive Therapies. 第10回. 122 (2001)
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[Publications] 丹野義彦, 森本幸子: "精神分裂病の心理学的マネジメントの普及"臨床心理学. 第1巻. 841-843 (2001)
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[Publications] Tanno, Y., Ishigaki, T: "Structure of schizophrenic delusional ideation"2001 World Congress of Behavioral and Cognitive Therapies. 第10巻. 122 (2001)
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[Publications] Tanno, Y., Morimoto, S.: "The prediction of delusional ideation in college students"Abstracts of 29th BABCP Annual Confrence. 29. 52 (2001)
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[Publications] Tanno, Y., Morimoto, S.: "Prediction of paranoid ideation in normal students"Abstracts of 1st Japan International Conference on Early Intervention and Prevention in Psychiatric Disorders. 1. 102 (2001)
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[Publications] 丹野義彦: "エビデンス臨床心理学"日本評論社. 300 (2001)