2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12874004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今野 一宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10186869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足利 正 東北学院大学, 工学部, 教授 (90125203)
大野 浩司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20252570)
難波 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004462)
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Keywords | 代数曲線 / 標準環 / 特殊一次系 |
Research Abstract |
曲線、すなわち非特異代数曲面上の数値的1連結な非零有効因子の特殊一次系を研究した。数値的2連結な場合は、標準一次系が基点を持たない事を利用して、ある種の複体を構成し、このコホモロジーから非特異曲線のクリフォード指数に相当する不変量を定義した。標準曲線に関するグリーン予想が正しければ、もともとのクリフォード指数と一致するので、妥当な定義であると思われる。特に算術種数が3の場合は、両者は一致している事が確かめられる。また、1連結曲線の標準環の構造を研究し、算術種数が2や3の場合には完全に決定する事ができた。例えば算術種数2の場合の生成元は次数1のものがふたつ、次数2と次数3のものがそれぞれひとつづつであって、それらの間の関係式は2次および6次のものがそれぞれひとつづつある。従って、その標準モデルはある3次元荷重射影空間内でふたつの方程式で定義される完全交差多様体になっている。この結果は曲線が種数2の曲線束のファイバーの場合には既に知られていたが、我々の結果はそれを完全に含むものである。種数3の場合はこのような簡明な記述を持たないが、やはり生成元の個数、それらの関係式、また関係式の関係等をすべて書き上げる事に成功している。さらに種数が大きくなると事態はより複雑化する事が予想されるが、種数4、5くらいまでは具体的に書き上げる事を目標にして現在研究中である。 特殊一次系のモジュライ理論を特異曲線に拡張するための第一歩として特異平面有理曲線のモジュライ空間を構成した。また、曲線束に関しては、種数3の代数曲線束に現れる特異ファイバーを松本モンテシノス理論を応用して完全に分類した。さらに高次元多様体への応用を考えて、アーベル曲面を一般ファイバーとする3次元多様体の曲面束を考察し、カラビヤオ多様体の場合には特異ファイバーの個数に上限があることを証明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazuhiro Konno: "Certain algebraic surfaces with non-reduced moduli space"Portugaliae Mathematica. 57・2. 169-178 (2000)
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[Publications] Kazuhiro Konno: "1-2-3 theorem for curves on algebraic surfaces"Journal fur die reine und angewandte Mathematik. 533. (2001)