2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12874006
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
宇澤 達 立教大学, 理学部・数学科, 助教授 (40232813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 祐司 立教大学, 理学部・数学科, 教授 (30113939)
佐藤 文廣 立教大学, 理学部・数学科, 教授 (20120884)
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Keywords | コンパクト化 / 境界値 / アイゼンシュタイン級数 / リフティング |
Research Abstract |
本年度は、保型形式の境界値をとる操作と斉藤・新谷のリフティングの間の関係を考察した。 ここで考える保型形式は、GL(2)の上で定義されたものを考える。アイゼンシュタイン級数は、GL(2)の境界GL(2)/B、(ここで、BはGL(2)のボレル部分群を表す)上有理数体上で定義されたボレル部分群に台を持つデルタ関数の重み付きの和となっていることが前年度までの研究でわかった。ここで、GL(2)/Bは、GL(2)内のボレル部分群全体と同一視されている。どのようなカスプ形式がでてくるかを説明することが今年度の目標であった。ここでは、有理数体の二次拡大K上で定義されたボレル部分群の上に台を持つデルタ関数の和がカスプ形式の境界値となっていると予想されるのでその状況を、既知のアイゼンシュタイン級数の場合に帰着させることを考えた。そのため、GL(2)をKまで係数拡大し、そののち有理数体Qに係数を制限することによって群自体はGL(2)xGL(2)と大きくなるが、K上定義されたGL(2)のボレル部分群がGL(2)xGl(2)内のQ上定義されたボレル部分群(の一部)に対応することになる。もとのGL(2)との関係は、埋め込み(Kによって定まる)GL(2)->GL(2)xGL(2)によって記述される。Kのイデール群の指標には、Qのイデール群の指標のペアが対応する。従って、GL(2)xGL(2)上のアイゼンシュタイン級数が対応することとなる。このアイゼンシュタイン級数を、Kによって定まる埋め込み写像によるGL(2)の像に制限すれば、(厳密には局所コホモロジーの言葉が必要である、)もとのカスプ形式が得られると予想され、実際いくつかの場合にはそのことが確かめられた。
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Research Products
(1 results)