2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12874022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 貴 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40114516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 健志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70294139)
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Keywords | 脳磁図分析 / 脳波 / 積分方程式 / 界面正則性 / 逆問題 / 脳磁場 / 非適切問題 / melting |
Research Abstract |
磁場を測定することにより,脳内に発生する電流双極子をリアルタイムに推定する技術が脳磁図分析(magnetoencephalography,MEG)であり,大脳生理学や臨床医学において大きな成果が期待されている.本研究はその数理基礎の確立を目指すものである. 今年度は,脳磁場を記述する基礎方程式の数学的解析を進め,順問題の適切性を確立した.これによりこの方程式の基礎方程式としての信頼性が高まったと考えられる.特に脳波の問題についての多層モデルの一意可解性と脳磁場の界面正則性を論じたが,数学的観点からいえばこれは積分方程式論に新たな知見を与えるものである.一方で本研究においては実用化の観点からも逆問題の解析が重要であるが,これについて今年度はまず,完全逆問題の非適切性の証明をあたえた.さらに積分方程式論からの解析的成果をふまえて実解析学的見地から離散逆問題に関する新しい解法アルゴリズムを開発した. 来年度以降は基礎方程式の解の性質の数学的解析を進めるとともに,前述した離散逆問題の解法アルゴリズムを数値実験により検証し,その実用性を検討した。
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