2000 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫の植物性に関する分裂装置からの細胞科学的解析
Project/Area Number |
12874111
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒岩 常祥 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50033353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 晴子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50313200)
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Keywords | マラリア原虫 / 葉緑体分裂装置 / トキソプ・ラズマ / アピコプラスト / DNAコピー数 |
Research Abstract |
最近、マラリア原虫やトキソプラズマは、宿主の原生生物に真核藻類が二次共生して誕生した「真核藻類」であることが判明した。またマラリアの治療薬として除草剤が有効であることも分かってきた。この様なことから、アピコプラストの色素体として性状、ひいてはマラリア原虫の植物としての視点からの解析が急務となった。一方我々は、1986年に葉緑体で、1993年にはミトコンドリアで、これらの分裂に必須な分裂装置を発見した。その後、葉緑体の分裂装置は、二次共生の藻類から高等植物にいたるまで、調べられたすべての植物で発見されている。このことから、アピコプラストが、葉緑体の分裂装置を使って、分裂増殖していることが考えられる。本研究では、この結果を踏まえて、アピコプラスト、ミトコンドリア及び核ゲノムの複製、分配を基本におき、マラリア原虫の増殖機構を分子細胞生物学的に解明することに研究が進められた。 その結果、1.マラリア原虫の細胞核、ミトコンドリア、アピコプラストのそれぞれに含まれるDNA量とコピー数を決定した。2、アピコプラス、核及び細胞が、どのように分裂装置を使って増殖しているのかを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Misumi,O.,Nishimura,Y., et al.: "Effects of chloroplast DNA content on the cell proliferation and aging in Chlamydomonas reinhardtii."J.Plant Research. (in press).
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[Publications] Saito,C.,Nagata,N., et al.: "Unequal distribution of DNA-containing organelles in generative cells of Plumbago zeranica."Protoplasma. (in press).
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[Publications] Nishimura.Y.,Misumi.O., et al.: "Active digestion of mt derived chloroplast DNA in individual zygotes of Chlamydomonas reinhardtii revealed by the Optical tweezers."Pro Natl Acad Sci USA. 209. 222-232 (1999)
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[Publications] Kuriyama,H.,Takano,H., et al.: "Charcaterization of Chlamydomonas reinhardtii zygote specific cDNAs that encode novel proteins containing ankyrin repeats and WW domains"Plant Physiol. 119. 873-884 (1999)
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[Publications] 黒岩常祥: "ミトコンドリアはどこからきたか"NHKブックス 日本放送出版協会. 300 (2000)