2000 Fiscal Year Annual Research Report
サイクル域光パルスにより誘起される巨大加速度現象に関する研究
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12875010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森田 隆二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30222350)
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Keywords | 超広帯域コヒーレント光波 / サイクル域光パルス / 自己位相変調 / 位相補賞 / 空間位相変調器 / 包絡波近似フリー / 巨大加速度 / 3次非線形光学特性 |
Research Abstract |
本年度は、以下の成果を得た。 1.アルゴンガス充填ファイバー中に、チタニウムサファイアレーザー増幅器からのフエムト秒光パルス(基本波;中心波長780nm)を伝播させ、自己位相変調効果を効率的に生じさせることにより超広帯域コヒーレント光波発生を発生する。この光波を、回折格子、凹面鏡、空間位相変調器によって構成される4f-非線形チャープ補償光学系により位相補償し、パルス幅4.1fs、サイクル数1.8サイクルの極短光パルスの発生に成功した(フリンジ分解自己相関法による測定)。 2.サイクル域のような極短光パルスはその超広帯域性から、反射といった単純な現象でも反射係数の波長分散により位相の変調を受けてしまう。また、非線形相互作用に関しても、その非線形性の波長分散が極短光パルスに大きな影響を与える。したがって、このような極短光パルスの場合、その発生と同時に重要となることは、特性を測定する装置を作製することである。本研究では、超広帯域に適した光学部品を用いることにより、サイクル域光パルスの測定に耐え得る周波数分解光ゲート測定装置(FROG)ならびに直接電場再構成用スペクトル位相干渉計(SPIDER)を作製し、どちらも5.0fs(2.2サイクル)の光パルスの測定が可能であることを確認した。 3.サイクル域光パルスの伝播を考える場合、従来の光パルス解析法で用いられている包絡波近似を用いることはできない。包絡波近似を用いず、Maxwell方程式を直接解く方法として、新たに「Fourier直接法」の開発、ならびに時間領域有限差分(FDTD)法によるモノサイクル光パルスの伝播解析を行った。これら2つの方法は、従来の計算では取り込まれていなかった後方伝播、光3次高調発生をも考慮しているという特徴を持つ。また、これらの解析結果は、1.における超広帯域光パルス発生結果とよく一致している。 4.巨大加速度現象による熱輻射・赤外光発生の際に重要となる物質の3次非線形光学応答の測定も行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Karasawa, S.Nakamura, R.Morita et al.: "Comparison between theory and experiment of nonlinear propagation for 4.5-cycle optical pulses in a fused-silica fiber"Nonlinear Opt.. 24. 133-138 (2000)
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[Publications] L.Xu, N.Karasawa, R.Morita et al.: "Programmable chirp compensation for 6-fs pulse generation with a prism-pair-formed pulse shaper"IEEE J.Quantum Electron.. 36. 893-899 (2000)
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[Publications] L.Xu, L.Li, N.Karasawa, R.Morita et al.: "Application of a spatial light modulator for programmable optical pulse compression to the sub-6-fs regime"IEEE Photonics Technol.Lett.. 12. 1540-1542 (2000)
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[Publications] H.Murakami, R.Morita, et al.: "Determination of third-order optical nonlinearity dispersion of 1-methyl-1′-octadecyl-2,2′-cyanine perchlorate Langmuir-Blodgett films using electroabsorption spectroscopy"Jpn.J.Appl.Phys.. 39. 5838-5841 (2000)
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[Publications] Y.Yamaoka, R.Morita, et al.: "Femtosecond time-resolved third-order nonlinear response of 4-(N, N-dimethylamino)-β-nitrostyrene solutions in the nonresonant region-experimental evidence of groupvelocity dispersion effect-"Opt.Rev.. 7. 489-494 (2000)