2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12875018
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石橋 幸治 理化学研究所, 半導体工学研究室, 先任研究員 (30211048)
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Keywords | 高速時間応答 / 光伝導サンプリング素子 / 櫛形電極 / ポンプ・プローブ法 |
Research Abstract |
本研究ではナノデバイスの高速時間応答を調べるための基本技術の開発を目指している。ナノデバイスは量子効果の発現する極低温下で通常測定されることが多い。また、外来のノイズからデバイスを守るためにデバイスにつながる電気的配線には低周波通過フィルタが挿入されている。したがって、室温部から直接高速応答を測定することは困難である。それを回避するために本研究では、極低温部の試料直近に光伝導サンプリング素子を設置することを想定し、本年度は光サンプリング素子作製技術の開発を目的とした。通常、緩和時間が短い低温成長GaAs素子が用いられるが結晶成長を必要とするので、本研究では通常の半絶縁性基板を用い、櫛形電極間隔を短くすることで応答速度の向上を目指した。 電極間隔が0.1,0.3 0.5,0.7,0.9μmの櫛形電極を電子ビームリソグラフィーとリフトオフを用いて、コプレーナー導波路パターン中に作製した。この櫛形電極スイッチは光伝導スイッチ(オーストンスイッチ)として動作し、フェムト秒レーザー(パルス幅200fs)を照射し電気パルスを発生させる。時間遅延を与えた2つのレーザーを伝送線路上の2つのスイッチに照射するポンプ・プローブ法を用いて電気パルスのパルス幅およびそれを制限している物理的要因を調べた。その結果、電極間隔が0.5μmよりも小さいデバイスでは、寄生容量で応答が制限されており、またそれより大きいデバイスでは電子とホールの輸送時間で制限されていることがわかった。最小電気パルス幅として7psを得た。
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