2001 Fiscal Year Annual Research Report
偏光顕微ラマン分光法によるセラミックス多結晶のマイクロ応力解析
Project/Area Number |
12875024
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 啓介 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80026244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋庭 義明 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00212431)
坂井田 喜久 静岡大学, 工学部, 助教授 (10334955)
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Keywords | ラマン分光法 / 応力計測 / セラミックス / X線応力測定 / マイクロ応力 / 単結晶 / 多結晶 |
Research Abstract |
1.単結晶サファイアの,鋭い切欠き材のひずみ分布を顕微ラマン法を用いて測定した.ラマン法での測定領域は約2μmである.この測定ひずみを3次元異方性弾性論による有限要素法を基にした計算結果と比較し,よい一致を得ることができ,切欠き部の鋭い応力集中を十分に検知することを確認した. 2.顕微ラマン法で多結晶アルミナ中の各結晶粒内のひずみ分布を求めた.645cm^<-1>と418cm^<-1>のラマンシフトをもとに,結晶のc軸方向の垂直ひずみε_<33>を決定した.ひずみ分布は,結晶間の方位差に依存して大きくなり,熱膨張係数の異方性に起因する残留マイクロひずみ測定が可能となった. 3.ひずみの3成分を分離して測定するため,偏光ラマン光を用いたが,ラマン散乱光のスプリティングの高精度測定にはいたらなかった.今後の検出器の改良が望まれる. 4.X線回折法を使用して,結晶面が100の単結晶シリコンウエーハを実験材料として単結晶の応力測定法の開発を行った.結晶方位の特徴を考慮し,333面および511面の回折を利用すると従来のsin^2ψ法と同様の高精度の応力測定が可能であることを,4点曲げにより既知の応力を負荷したときの負荷応力とX線測定した応力との比較検討より実証した. 5.マイクロ領域の応力測定法として,放射光施設Spring-8の高強度,高指向性の単色X線ビームを使用して応力測定を行った.負荷応力検定においては測定応力と負荷応力との間によい一致が得られ,マイクロ領域の応力測定法として有力であること確かめられたが,照射位置の決定法の向上および照射中の遥動機能の必要性が認識された. 6.アルミナ/ジルコニア複合材料中のミクロ応力分布および相応力分布を有限要素法により計算した.結晶粒数が20個以上であると計算された弾性定数は,マクロな値に一致する.相応力のX線測定においては,0.1mm程度の照射領域が必要であり,それ以下では照射域の大きさに依存した測定値となる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yoshihisa Sakaida: "Local Stress Measurement in α-AL2O3 by Raman Microspectroscopy"Materials Science Research International. STP No.1. 348-351 (2001)
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[Publications] 田中 啓介: "シリコン単結晶および多結晶膜のX線応力測定"第37回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 37. 263-288 (2001)
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[Publications] 坂井田 喜久: "ジルコニア粒子分散アルミナの微構造を考慮した相応力評価"第37回X線材料強度に関するシンポジウム講演論文集. 37. 233-238 (2001)