2001 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルマイクロミラーデバイスを用いた2次元露光光造形法に関する研究
Project/Area Number |
12875030
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
紙谷 卓之 大阪産業大学, 工学部, 講師 (60257889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸谷 洋二 大阪産業大学, 工学部, 教授 (90239153)
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Keywords | 光造形法 / 積層造形法 / ラピッドプロトタイピング / デジタルマイクロミラー / DMD / 2次元露光 / フォトポリマー / 光硬化性樹脂 |
Research Abstract |
光造形法とは光硬化性樹脂液表面をレーザーで走査し,硬化した層を液中に沈め,再度レーサーで走査する手順を繰り返して3次元模型を作製する手法であるが,レーザーで走査し終わるまでその層を液中に沈めることができないので,1層当りの露光時間が長いという問題がある.また,模型壁面に積層に起因する段差が生じるという問題がある.本研究は,単位深さ当りの露光時間の短縮,層間段差の排除を目的とするもので,ここではデジタルマイクロミラーデバイスを用いて2次元露光する手法の開発を行う.具体的にはデジタルマイクロミラーデバイスを構成する個々の微細ミラーの反射角を外部映像信号により変化させ,光源からの光を選択的に反射させて模型の断面画像を樹脂液面に投影し,断面画像の切替と硬化物を載せたテーブルの降下とを連携させて行うことにより任意形状の3次元模型を作製する.昨年度は,一般の光硬化性樹脂の感度が紫外領域にあるという特性を最大限に活かす目的で,光源に超高圧水銀ランプを,光学系に石英レンズを用いて2次元露光装置を作製した.しかしながら,紫外線防護メガネをかけて可視域の投影像を確認したところ像の歪やほけがひどく,硬化した樹脂の形状の歪もひどいものであった. そこで今年度は,組み合わせレンズにすることで,欠像特性の改善を図った.紫外線を透過する石英製の組み合わせレンズは高額な特注品になる.そこで本研究では,カメラのズームレンズや非球面レンズなど研究室既有の可視光用レンズを用いることにした.そのため,光源を可視域に強いスペクトルが集中したメタルハライドランプに,光硬化性樹脂の種類を可視光タイプのものにそれぞれ変更した.可視領域であるので投影像を防護メガネ無しでも直視でき,ピントや像の歪の目視確認が簡単に行なえるようになった.投影距離800mmの位置で,280mm×360mmの画面サイズ(おおよそB4サイズ)が実現できた.また,画面の外周部を除けば,コントラストやフォーカスが改善された明るい画像を得ることができた.次年度は,画面内の描画図形とテーブルの降下とを連動させて実際に3次元模型の作製に取り組む予定である.
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