2000 Fiscal Year Annual Research Report
電界共役流体(ECF)を応用した直径φ1mmマイクロモータの開発
Project/Area Number |
12875031
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横田 眞一 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (10092579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 重濠 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (30313373)
吉田 和弘 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (00220632)
近藤 豊 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (80293059)
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Keywords | 機能性流体 / マイクロ / モータ / 電界共役流体 / アクチュエータ / 静電 / ECF効果 / マイクロマシン |
Research Abstract |
本研究課題では,新しい機能性流体として電界共役流体(ECF:Electro-Conjugate Fluid)に注目している.ECFは線状電極で直流高電圧を印加されると,活発な流動(ジェット)を生じる.この現象を応用し,電磁モータでは実現が困難な,直径φ1mmのマイクロモータを実現することを目的としている.本年度は主に,提案するマイクロECFモータの構造および特性を検討することを目的に,内径φ2mmのマイクロECFモータを試作し,特性を評価した.実施結果の具体的内容は以下のとおりである. マイクロモータでは,ブラシなどの従来の方法でロータへ通電することは不可能である.本研究では,直径φ0.3mmの鋼球を軸受けと用いるとともに,鋼球を接点としてロータへ通電する方法を考案している.また,マイクロECFモータではロータ側面に微細電極を構成する必要がある.本研究では,ロータ外形を機械加工の後,全体にニッケルメッキし施す.ついで,FHG-YAGレーザー加工機でアブレーション加工を施すことで電極のパターニングを行う.これにより,直径が1mm程度のロータ側面にも微細電極を構成することが可能となる.また,試作したマイクロECFモータの特性を評価するうえで,極微小トルク測定をおこなう必要がある.本研究では,質量がわずか40mgのプロペラを負荷とし,予めプロペラの回転数とトルクの関係を校正しておくことにより,マイクロECFモータのトルクを測定することに成功した.試作したマイクロECFモータの大きさは,外径2.8mm(内径2mm),高さ6.8mmである.質量は100mgである.無負荷の最高回転数1200rpm,最大トルク3μNm,最高出力200μW,効率5%をそれぞれ得た.今後の課題は,今年度の成果をもとに直径φ1mmのマイクロECFモータを試作し,その特性を評価することである.
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