2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12875087
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
落合 英俊 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00039679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 京子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20110835)
安福 規之 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20166523)
松下 博通 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10038036)
大嶺 聖 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60248474)
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Keywords | ぼた / 産業廃棄物 / 物理化学的特性 / 重金属の吸着 / 透水性 / 溶出試験 / 三軸圧縮試験 / 圧密試験 |
Research Abstract |
ぼたとは石炭の採掘に伴って地中から掘り出される砕屑物の総称であり,これらはぼた山として集積され,現在九州地方に集積量にして約3億m^3存在する.これまでもぼたの地盤材料としての利用に関する研究が進められてきたが,問題点として降雨による細粒化やぼたの含有物である硫酸塩の溶出によるコンクリート劣化崩壊などが報告されている.近年,環境保全に対する社会意識の高まりを背景に,ぼた山周辺の地下水汚染などのぼたによる環境被害がとりざたされ,廃棄物処理の観点からぼたの有効かつ大量な利用が望まれている.本研究では,ぼたを利用する方法として分級処理を考え,それぞれの工学的特性を実験的に明らかにし,その物理化学的特性および力学的特性を考慮した有効利用法について検討した.得られた結果は以下の通りである. 1)ぼたは水浸すると著しく細粒化するが,その場合でも礫分の割合が質量比で約40%を占めている.また,粘土分を約20%も含有している.よって,礫分と細粒分に分級し,それぞれを利用することが有効と考えられる. 2)ぼたからの溶出による水質汚染は主としてその細粒分に起因し,溶出成分で特に問題とされる硫酸イオンについては細粒分カットによる溶出量の低減が確認された.また,三軸試験より得られたぼた礫分は内部摩擦角が約35度であり,溶出特性,強度特性の面でサンドコンパクションの中詰め材としての利用が期待される. 3)圧密試験により求めたぼたの細粒分の透水係数は10^<-8>〜10^<-9>(cm/s)のオーダーであり,十分な遮水効果が期待され,バッチ平衡試験の結果よりぼたは高い吸着能力を有していることが確認された.以上よりぼたの細粒分は廃棄物埋立処分場などに用いる粘土バリアーとして有効であるといえる.
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[Publications] 小野裕介,落合英俊,安福規之,大嶺聖: "ぼたの地盤工学的特性を考慮した有効利用法の検討"平成12年度土木学会西部支部研究発表会. (印刷中). (2001)
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[Publications] 藤井照郎,落合英俊,安福規之,大嶺聖: "都市ゴミ焼却灰と粘土の混合地盤材料の溶出特性および透水特性"平成12年度土木学会西部支部研究発表会. (印刷中). (2001)
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[Publications] 田中洋平,落合英俊,安福規之,大嶺聖: "都市ゴミ焼却灰と粘土の混合固化処理土の溶出特性"平成12年度土木学会西部支部研究発表会. (印刷中). (2001)
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[Publications] 落合英俊,大嶺聖,安福規之: "混合地盤材料としての各種廃棄物の有効利用技術"平成12年度土木学会西部支部研究発表会. (印刷中). (2001)
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[Publications] 大嶺聖,落合英俊,安福規之: "廃棄物を活用した混合地盤材料の開発とその適用性について"第4回環境地盤工学シンポジウム発表論文集. (印刷中). (2001)