2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12875095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松井 三郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (90092808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 知成 京都大学, 工学研究科, 助手 (50273488)
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Keywords | 持続的食糧生産 / し尿分離 / リン酸回収 / 窒素回収 / ストラバイト / ウレアホルム / 緩効性肥料 |
Research Abstract |
現在農業に使用されている肥料のほとんどは、窒素はハーバー・ボッシュ法による空中窒素固定、リン酸はリン鉱石、カリウムはカリ鉱石から製造されている。窒素はともかく、リンとカリウムは有限であり、これらの成分をリサイクルする必要がある。そのためには、人間のし尿を農地に還元することが重要であるが、その方法が問題である。意外ど面白いのが、糞便と尿を別々に回収し、尿のみを利用すると言う戦略である。人の排泄物中のしと尿では窒素、リン成分に大きな違いがあり、肥料の3大栄養素のほとんどは尿に集中しており、尿それ自体が理想的な肥料になりうる。しかしながら、尿をそのまま農地に散布すると、余剰の窒素やリン成分の農地からの流出により地下水や河川水などを汚染する可能性がある。また、尿そのものは速攻性の肥料となりうるが、逆に施肥効果が持続しないため作物の種類によっては何度も施肥しなければならず人手がかかるなどの問題点が考えられる。そこで、本研究では、回収した尿から付加価値の高い緩効性肥料を作成する方法を検討することにした。まず、リン酸回収であるが、アルカリ条件でマグネシウムを添加することにより、マグネシウムアンモニアリン酸(MAP)の形でリン成分をほぼ100%回収することが可能であることがわかった。つぎに窒素の回収であるが、尿にホルムアルデヒドを添加し、1週間の滞留時間でウレアホルムの形で窒素分(尿素)の回収も十分に可能であることもわかった。今後、これら緩効性肥料のより効率の良い作成方法を検討する。
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