2000 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート材料・施工のインテリジェント化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12875097
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷川 恭雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70023182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 進 エフピーケー(株), 主任研究員
黒川 善幸 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50242839)
森 博嗣 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80157867)
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Keywords | インテリジェントコンクリート / センサ機能 / プロセッサ機能 / アクチュエータ機能 / 結晶増殖材 / 自己止水機能 / 強度回復機能 / ひび割れ漏水試験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、センサ機能、プロセッサ機能、アクチュエータ機能を有するインテリジェントコンクリートを開発することにある。本研究では、コンクリートへの自己止水機能の付加、強度増加および強度回復機能の付加を目的として、ペレット状の結晶増殖材をコンクリート中に混入し、これが漏水量の変化と強度に及ぼす影響について基礎的な実験を行った。 本研究に用いた結晶増殖材は、シリカサンド、無機化合物、ポルトランドセメントおよび触媒性化合物を原材料としている。結晶増殖材が水と混練されることで炭酸カルシウムなどのカルシウム化合物が早期に生成されるとともに、水溶性シリカ化合物、触媒性化合物とカルシウムが結合した触媒性カルシウム化合物を生成する。水溶性シリカ化合物は、コンクリート中に浸透し、内在する水酸化カルシウムと反応することで、カルシウムシリケートゲルを生成する。触媒性カルシウム化合物は、コンクリート内部の水分や浸透水を介して拡散する。その後、未水和セメント、セメントゲル、低位のセメント結晶が保有している反応性シリカの豊富なゾーンにおいて触媒性カルシウム化合物のカルシウムイオンがそれらと反応し、カルシウムシリケートゲルを生成する。カルシウムイオンを放出した触媒化合物は、イオンとなって拡散し、カルシウムイオンが豊富なゾーンで再び触媒性カルシウム化合物となる。この一連の反応が反復される。 本実験では、結晶増殖材を中央部に配置した円盤状供試体を用いてひび割れ漏水試験を行い、円柱供試体を用いて圧縮強度試験を行った。いずれも載荷によりクラックを発生させたあと養生し、止水効果と強度回復効果を測定した。水中養生を行ったため、結晶増殖材による顕著な止水効果や強度回復効果を確認することができなかったものの、強度の増加が認められた。
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