2000 Fiscal Year Annual Research Report
バインダー分子を利用する金属超微粒子の固体表面上での相互配置制
Project/Area Number |
12875143
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岸田 昌浩 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60243903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多湖 輝興 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20304743)
若林 勝彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20220832)
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Keywords | バインダー / 相互配置制御 / 複合超微粒子 / 担持金属触媒 |
Research Abstract |
本研究では,バインダー分子を用いて液相中の2種類以上の金属超微粒子をシリカなどの固体担体の表面に,それらの相互配置を制御しつつ固定化することを目的とする。 (1)バインダー分子を用いた異種微粒子の液相中における配置制御 新規バインダー分子の合成は困難であったため,市販試薬をバインダー分子として用いた異種微粒子の配置制御について検討した。バインダー分子としてはジアミンを用い,異種金属微粒子としてはジアミンとの親和性を考慮してRhとMgを取り上げた。合成条件を種々検討した結果,安定化剤で保護されたRh錯体微粒子にバインダー分子の片端が吸着し,バインダー分子のもう片端にMgイオンが吸着した複合超微粒子(15nm)を合成することに成功した。したがって,液相中においてRhとMgをある一つの相互配置に制御することができた。 (2)異種金属微粒子の担体上における相互配置制御 得られたRh-バインダー-Mgの複合超微粒子を析出法によってシリカ担体上に固定化し,熱処理を行った。その結果,MgO微粒子がRh金属微粒子の表面にのみ存在する相互配置をシリカ担体上において構築することができた。なお,従来法で調製したMgO/Rh触媒ではRhとMgOのシリカ上における相互配置はランダムであった。これらの結果は,化学分析によって確認した。さらに,本触媒と従来法触媒のCO水素化反応特性を調べたところ,本触媒では,従来法触媒では全く認められなかった,RhとMgの協奏効果(活性向上とアルコール選択性向上)が明確に認められた。すなわち,反応特性からも,担体上におけるRhとMgの相互配置制御に成功したことを示すことができた。
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