2001 Fiscal Year Annual Research Report
炭素ナノチューブを用いる高容量Liイオン2次電池負極の開発
Project/Area Number |
12875166
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
石原 達己 大分大学, 工学部, 助教授 (80184555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 宏泰 大分大学, 工学部, 助手 (10274739)
|
Keywords | 炭素チューブ / CH_4分解 / Li電池負極 / 酢酸マンガン / 高容量 |
Research Abstract |
本研究では炭化水素をCH_4分解して得た炭素チューブのLiイオン2次電池負極への応用を検討した。本年度は炭素チューブの負極特性に及ぼす酢酸および酢酸マンガンの添加効果を検討した。現在、Liイオン2次電池では正極へのLiMn_2O_4の応用が検討されているが、高温においてMn成分が溶出し、正極のみでなく、負極特性も低下することが問題となっている。そこで、本年度は炭素チューブの負極特性に及ぼすMn成分の影響について検討した。種々のMn塩を炭素チューブに添加したところ、Liの挿入容量が低下するとともに、繰り返し特性が大きく低下することがわかった。そこで、Mn成分の溶出は正極特性のみでなく、負極特性にも悪影響を及ぼす。一方、酢酸Mnについては逆にMnを添加することで、容量が向上することがわかった。そこで、Mn量の添加効果を検討したところ、酢酸Mnを1wt%添加した折りに、容量は最も大きくなり、330mAh/molというほぼ理論容量が得られることがわかった。向上した容量は50回の繰り返しにおいても低下することはなかった。そこで、電解液へ酢酸を添加したところぺ酢酸Mnに類似した効果が得られることを見出した。そこで、電解質/炭素界面に生成する膜に類似した構造の酢酸を少量添加するとMnの溶出による負極の性能低下は抑制されることがわかった。 さらに、高容量な炭素チューブ系の負極材料の開発を目的に、Si粉末上への炭素チューブの合成を検討したところ、Niを1wt%程度担持することで、炭素チューブで被覆したSiを合成でき、Si系負極で問題となる可逆性が向上できること、および容量カットオフを行うと、安定に充放電を行うことができる、500mAh/gという炭素に比べると1.5倍の容量を安定に示すことがわかった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] T.Ishihara, A.Kawahara, H.Nishiguhci, M.Yoshio, Y.Takita: "Effects of synthesis condition of graphitic nanocarbon tube on anodic property of Li ion rechargeable battery"J. Power Sources. 97-98. 129-134 (2001)
-
[Publications] M.Sharon, W.K.Hsu, H.W.Kroto, D.R.M.Walton, A.Kawahara, T.Ishihara, Y.Takita: "Camphor-based carbon nanotube as an anode in lithium secondary battery"J. Power Sources. 104. 148-153 (2002)