2000 Fiscal Year Annual Research Report
グラファイト状B-C-N化合物の新規合成法に関する研究
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12875171
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
小田 耕平 米子工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (90043611)
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Keywords | 炭窒化物 / ホウ酸メラミン / BCN化合物 / 固体NMR / 比表面積 / 電気伝導度 / 前駆体熱分解法 / 乱層構造 |
Research Abstract |
BCN化合物は,グラファイトとh-BNのハイブリッドとしての性質を持つことが期待され,近年,多くの研究がなされている。我々はBN合成の前駆体として知られているホウ酸メラミン(以下,MDB)に金属Mgを加えN_2あるいはAr気流中で加熱するとB-C-Nから成る化合物が得られることを初めて見い出した。本年度は、BCN化合物の合成条件の確立と得られた化合物の物性に関する検討を行なった。 得られたBCN化合物は,MDB結晶の形を完全に維持しており,結晶サイズの変化はほとんどなかった。XRDパターンにはブロードな(002)および(11^*)面の反射が現れており,乱層構造を持つものと思われる。比表面積は0.8から215m^2/gに上昇しており,結晶内に細孔が生成していることが示唆される。EDXによる組成分析の結果,B:C:Nの原子比は1:1:1〜1:2:1の範囲であった。4端子法による電気抵抗測定によれば電気抵抗は約1000Ωm程度と大きいが,室温以上では温度の逆数に比例して増大しており,得られたBCN化合物は半導性を持つものと考えられる。 ^<13>C-MAS-NMRから,amorphous carbonでは,sp^3-C由来の約40ppm,sp^2-C由来の約130ppmの2つのピークが観測されるが,40ppm付近にはピークが見られないことからamorphous状態にないことが分かった。スペクトルの形状はpyridine-boraneを前駆体として得られるBCN化合物の場倉と非常に似通っており,今回観測されたピークはsp^2-C由来のものであり、C-B,C-N,C-Cの三種類の結合が結晶中に混在していることを反映してピークがブロード化しているものと思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 嶋田末生,青木薫,小田耕平: "ホウ酸メラミンを出発物質とするB-C-N化合物の合成と評価"日本化学会九州支部・同中国四国支部合同大会講演要旨集. 305-305 (2000)
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[Publications] 青木薫,小田耕平,田中晋: "ホウ酸メラミンの熱分解によるBCN化合物の新規合成"日本セラミックス協会2001年会講演要旨集. (2001)