2000 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒系の活用による汎用モノマーからの構造の規制されたポリマーの合成
Project/Area Number |
12875181
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026276)
|
Keywords | イソブチルビニルエーテル / t-ブチルビニルエーテル / メチルアルミノキサン / メタロセン触媒 / 立体規則性ポリマー / 遷移金属錯体 |
Research Abstract |
本研究は本年度、各種4族遷移金属錯体とメチルアルミノキサン(MAO)を用いてビニルエーテル(VE)の重合に有効な触媒系を開発し、特に高い重合活性を示す触媒系を構築すること、および生成ポリマーの立体構造を解明し、触媒の構造とポリマーの構造との相関関係を検討して立体規則性重合に有効な触媒を開発するすることを目的とする。以下に、本年度の研究結果の要点を記す。 1.ハーフチタノセン錯体によるイソブチルビニルエーテル(IBVE)、t-ブチルビニルエーテル(tBVE)の重合-CpTiCl_3とMAOによるIBVE、tBVEの重合を検討した。重合は窒素雰囲気下トルエン中30℃で行った。どちらのVEもMAOの有無にかかわらず重合したが、MAOの添加によりポリマー収率が向上した。特にIBVEの場合には分子量40,000程度のポリIBVEが収率90%で得られた。また、MAOを添加した系において得られたポリIBVE、ポリtBVEはよりシンジオリッチなポリマーであることが分かった。 2.ビス(サリチルアルジミナート)金属錯体(金属;Ti、Zr、Hf)によるIBVE、tBVEの重合-サリチルアルジミナート配位子を2つ有するTi、Zr、Hf錯体とMAOによるIBVE、tBVEの重合を検討した。重合は窒素雰囲気下トルエン中30℃で行った。この触媒系では1と異なりMAOを添加した場台にのみ重合が進行した。またポリマー収率はTi錯体を使用した場合に最も高くなり、IBVEの場合には分子量20,000程度のポリIBVEが収率70%で得られた。
|