2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規有機電子材料としてのディスコチック液晶高分子の合成
Project/Area Number |
12875183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
近藤 紘一 立命館大学, 理工学部, 教授 (50029211)
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Keywords | ディスコチック液晶 / 液晶性有機半導体 / マクロサイクリック化合物 / ホール輸送材 |
Research Abstract |
本研究は、液晶性を利用することにより結晶に近い分子配向を実現し、それにより高いホール移動度、電子移動度を実現するために、従来の柔粘性結晶相に依存する高いホール移動度にかわる規則的構造を有する液晶性有機半導体と呼ばれる材料を得ようとするものである。すなわち、平板状π電子系が積み重なったディスコチック液晶特有の構造に由来するカラム軸方向に高い電荷移動性を示す特徴に着目し、多置換ベンゼン誘導体を用い、アクセプター基、ドナー基を導入することによって、C-T錯体など種々のディスコチック液晶を合成し、ホール移動、電子移動に適した構造を見いだすことを第一の目的とする。さらにそれらを高分子化することにより「異方性」を生かす薄膜化など新しい有機電子材料の創製をめざす。基本骨格として三個のベンゼン骨格が互いに1,2三重結合で結ばれた三角形状のマクロサイクリック化合物を合成する。これについて、o-ジブロモベンゼンとトリメチルシリルアセチレンとのPd触媒を用いる薗頭反応によりモノエチニルベンゼン誘導体を合成したのち、in situで同様な反応を繰り返すことにより2%の収率で目的の三角形状のマクロサイクリック化合物を得ることができた。現在は、さらに収率を向上させる工夫と、アクセプター基、ドナー基を含むベンゼン誘導体を用いて同様な反応が進行するか検討する段階になっている。 これらの化合物については、それぞれの環が垂直に積み重なり、円柱状の規則正しい構造をとることによりホール移動度、電子移動度が、従来のアモルファス系をはるかに越えることが期待される。
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