2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12875194
|
Research Institution | 神戸商船大学 |
Principal Investigator |
西垣 和 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (40031447)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 章 川崎重工, 関東技術研究所, 副所長
武田 実 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (50206992)
|
Keywords | 海洋環境 / MHD効果 / 超伝導磁石 / 油回収 |
Research Abstract |
海洋での石油流出事故は周辺環境に対して甚大な被害をもたらす。しかし、海洋流出油回収技術は、はなはだ未発達な現状にある。 我々は従来よりヘリウム液化設備、超伝導強磁場発生設備等を擁して、海洋への強磁場応用に関する研究、特に電磁推進船・海洋発電の研究を推進している。その過程で、海水と油の電気的性質の違いに着目し、その差違を利用することにより、電磁場の印加のみによって海洋流出油を回収することが、原理的に可能であるとの着想に基づいてこの研究を進めている。 今年度は、実験装置を製作して基礎的な実験を繰り返してきている。実験装置には、超伝導強磁場(10T)、油分離用セル、海水循環系および計測システムが組み込まれている。実験では油の代替として非磁性の高分子粒子を用いている。 本実験によって得られた主な結果は、(1)分離率は磁場が一定のとき、海水の通電電流に比例する、(2)分離率は電流が一定のとき、印可磁場と共に増加する、(3)実験値はモデル計算の値とよく一致する、などである。 次年度は、高分子粒子の大きさ、通電電流、磁場強度をさらに大きくして、分離率を調べると共に、実用化の見通しを確かにしてゆく計画である。
|