2000 Fiscal Year Annual Research Report
石油バクテリアを用いた焼却灰を含む土壤中ダイオキシンの分解
Project/Area Number |
12875195
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
藤田 豊久 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (70124617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴山 敦 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (30323132)
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Keywords | Pseudomonas / 原油 / ダイオキシン類 / 分解 / バクテリア / フラン / クロロベンゼン / 有機塩素化合物 |
Research Abstract |
原油中に生息する油水分離槽の水槽からバクテリアを採取した。グラム陰性桿菌Pseudomonas主体の細菌類が生息することが明らかとなった。 まず、本バクテリアを土壌中のダイオキシン分解に適用する前に、水中のダイオキシン類分解に関する実験的検討を行い、以下の事項が明らかとなった。 ・基礎実験として初濃度300ppmのクロロベンゼンのバクテリアによる分解を試みたところ、光照射、空気送入系において、クロロベンゼンは6時間ほどで完全に分解された。 ・ダイオキシン類の分解実験のために、ダイオキシン(PCDDs)およびフラン(PCDFs)混合物の合成標品をジメチルスルホキシド(DMSO)に転溶して水溶液に溶解させ、バクテリアによる分解を試みた。空気送入のほうがよりダイオキシン類は分解された。空気送入による好気的条件では、バクテリア濃度を増加させダイオキシン類をより良好に分解できた。高塩素化体になるほどPCDDs、PCDFsとも高い分解率を示した。7あるいは8塩素化体PCDDs、PCDFsの分解率は高く、24時間で双方とも90%以上の分解ができた。一方、4塩素化体ダイオキシン(2,3,7,8-TCDDを含む)には、高塩素化体のPCDDsが変化したものが含まれていると推定されるので、その分解率は相対的に低値を示し、約20%であった。 ・ダイオキシン類総量としての分解率は24時間経過後、空気送入系でPCDDsが約75%、PCDFsが約60%とPCDDsがPCDFsよりもやや高い分解率を示した。非送入系ではPCDDsが約70%の分解率を示すが、PCDFsの分解率は特に低下し、24時間経過後約30%であった。PCDFsの分解促進のためには好気性条件が必要であった。 以上のように、過去に報告されているバクテリアと比較したダイオキシン類の分解速度は速く、1日程度でかなりのダイオキシン類の分解が可能なことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 藤田豊久,佐野葉奈,武藤一,柴山敦,宮崎敏夫,井上千弘: "原油中に生息するバクテリアを用いた水中のダイオキシン類等の有機塩素化合物の分解"資源と素材. 117卷1号. 43-48 (2001)