2000 Fiscal Year Annual Research Report
豆類の発芽種子へのアグロバクテリウム注入による形質転換体作出法の開発と応用
Project/Area Number |
12876001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀谷 壽昭 東北大学, 遺伝生態研究センター, 教授 (70006013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩月 明 (菅野 明) 東北大学, 遺伝生態研究センター, 助教授 (10260449)
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Keywords | 形質転換 / ダイズ / アグロバクテリウム |
Research Abstract |
本年度はインドネシアの品種Orbaの種子を滅菌し、ペーパータオルを入れたペトリデッシュの上で25C、24時間発芽させた。その種子の皮を除去し、2枚の子葉から、1枚を除去した。プラスミッドpIG121をもつアグロバクテリウムをKm(カナマイシン)、Hm(ハイグロマイシン)それぞれ50ppmを含むYEP培地に28C、24時間、培養した。このアグロバクテリウム液を、種子の子葉の基部に対して注射器(1ml),注射針(0.4x19mm)を用いて接種した。アグロバクテリウムの接種は注入(injection)、注入-超音波(injection-sonication)、注入-吸引処理(injection-vacuum infiltration)の三つの方法で行った。 育成した植物は花とさらに種子を形成し、その後代(R2)も種子を形成した。アグロバクテリウムを注入した植物(RO)を用いて、形質転換体かどうか調べるためにPCR、サザンハイブリダイゼーション及びGUS活性分析を行った。PCR分析を行った結果、1.0kbのPCR産物が確認され、NPTII遺伝子が導入されていることがわかった。さらに、形質転換した植物の後代(R1)においてGus活性およびPCR産物のサザンハイブリダイゼーションを行なったところ、NPTIIとHPTのバンドが確認されたので、導入した遺伝子が維持されていることがあきらかになった。形質転換率(形質転換植物の出現個体数の使用種子数に対する割合)は、8-12%で、超音波と吸引処理の効果は若干認められた。この処理によってアグロバクテリウムは植物組織に吸着しやすくなることが電子顕微鏡によって観察された。 今後、更に形質転換率を高めるために、種子の状態(収穫後の日数、貯蔵条件、品種)、発芽条件、植物の成育条件を検討するとともに、有用遺伝子の導入を行う予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Efendi,H.Kisaka,A.Kanno,T.Kameya: "Transformation of soybean by infection of embryogenic callus and injection with Agrobacterium into germinating seeds."Plant Biotechnology. 17. 187-194 (2000)