2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12876012
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
藤條 純夫 佐賀大学, 農学部, 教授 (50011911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉賀 豊司 佐賀大学, 農学部, 助手 (00312231)
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Keywords | 翅型 / 体色 / 遺伝子 / 寿命 / cDNA / 蛍光デファレンシャルヂスプレイ / トビイロウンカ / トランスポゾン |
Research Abstract |
本研究室ではトビイロウンカの翅型・体色発現性について純系とみなされる選抜系統、すなわち黄褐色短翅型、黄褐色長翅型、黒色短翅型、黒色長翅型系統を維持しており、それらは幼虫期間や寿命などの生活史特生にも明らかな相違を示す。本研究では、それらを用いて、翅型・体色の形質発現に関与する遺伝子の探索を試みてきた。前年度の研究で、黄褐色系統特異的にreverse transcriptaseが発現していたことから、それをコードしているレトロトランスポゾンが体色発現に関与していることが推察された。そこで、本研究では、まず、reverse transcriptaseをコードしている遺伝子についてRACE(Rapid amplification of cDNA ends)を行い、シークエンス後、全塩基配列を決定し、BLASTホモロジーサーチを行った。その結果、reverse transcriptaseをコードしている遺伝子は全長約4kbpで、non-Long terminal repeat R2レトロトランスポゾンと高い相同性が認められた。しかし、この塩基配列中にpoly A配列が見られたことから、ゲノムの混入が考えられたので、DNase処理を施し、RT-PCRを行ったところ、これまでの黄褐色系統に特異的にこの遺伝子が発現しているという結果は得られず、レトロトタンスポゾンの体色発現への関与は否定された。そこで、各選抜系統の4齢1日目及び5齢0日目の個体からmRNAを抽出し、DNase処理後、cDNAを合成し、このcDNAをテンプレートとして22種の任意のプライマーと4種の蛍光標識したoligo dTプライマーを用い、蛍光ディファレンシャルディスプレイを行った。その結果、翅型・体色に特異的なクローンを20個検出できた。これらのクローンのうちRT-PCRによってmRNAの発現量に翅型・体色問で差が確認されたプライマーの組み合わせは3つであった。この3つのクローンを、今後、RACE法により、さらに遺伝子を伸長して、どのような遺伝子と相同性があるのかを明らかにする段階に到達できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yoshiga T, S.Tojo: "Effects of a juvenile hormone analog, methoprene, on the hemolymph titers of biliverdin-bindingproteins in the common cutworm, Spodopera litura"Applied Entomology and Zoology. 36・3. 337-343 (2001)
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[Publications] Bertuso, A.G., S.Morooka, S.Tojo: "Sensitive periods for wing development and precocius metamorphosis after precocene treatment of the brown planthopper, Nilaparvata lugens"Journal of Insect Physiology. 48・2. 221-229 (2002)
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[Publications] Bertuso, A.G, S.Tojo: "The nature and titer of juvenile hormone in the brown planthopper, Nilapalvata lugens in relation to wing morphogenesis and oocyte develpoment"Appied Entomology and Zoology. 37(in press). (2002)