2000 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性鉄酸化細菌の鉄酸化機構の遺伝的解析に関する基礎研究
Project/Area Number |
12876022
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上村 一雄 岡山大学, 農学部, 助教授 (80294445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 剛 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20033269)
|
Keywords | 化学合成独立栄養細菌 / 鉄酸化細菌 / 海洋性細菌 / トランスポゾンTn10 / トランスポゾンタギング / green fluorescence protein |
Research Abstract |
本研究は、海洋性の鉄酸化細菌の鉄酸化機構を遺伝子レベルで解析することを目的としている。本年度は、鉄酸化細菌Acidithiobacillus ferrooxidans NASF-1株を材料に用いて、トランスポゾンTn10を含んでいる広宿主域のプラスミドp LOFKmgfp(mini-Tn10-kan-gfp)をその宿主である大腸菌(Escherichia coli SM10 lambda pir)から接合によってNASF-1株へ導入するための条件設定を行った。本研究では、鉄酸化細菌の鉄酸化に関与する遺伝子の分離を目的としており、鉄酸化活性に変異をきたしているが、硫黄酸化活性は正常に機能する変異株を分離することを目標にしている。Mini-Tn10-kan-gfpトランスポゾンは、Green fluorescence proteinを発現する遺伝子を保有しているため、トランスポゾンの導入された株を蛍光顕微鏡下で容易に検出することが可能であるが、Mini-Tn10-kan-gfp導入株は、カナマイシン耐性遺伝子を同時に保有しているため、最初のスクリーニングでは、カナマイシン耐性変異株の分離を行うこととした。そこで、NASF-1株のカナマイシン感受性を検討した結果、400μg/mlの濃度まで耐性であることが明らかとなった。600μg/mlでは、増殖の遅延が観察されるため、この濃度でカナマイシン耐性変異株の分離を行うこととした。また、鉄酸化細菌のトランスポゾン導入実験に関して報告されている文献を参考に、鉄酸化細菌の培養条件及び大腸菌の培養条件を検討したが、報告された条件下(Fe^<2+>-チオ硫酸培地、pH5)では、二価鉄の自動酸化が著しく、鉄酸化細菌の増殖が認められないことから、Fe^<2+>-テトラチオン酸を含む培地での培養を検討した。本培地では、鉄酸化細菌の増殖が観察されることから、この培地をベースにして、NASF-1株及び大腸菌を前培養して、接合実験を進めている。現在までカナマイシン耐性を獲得した株は得られていないため、さらに接合条件の検討を行っている。
|
Research Products
(1 results)