2001 Fiscal Year Annual Research Report
牛乳蛋白貭によるアポトーシス誘導とその感染予防・治療における役割
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12876031
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
金丸 義敬 岐阜大学, 農学部, 教授 (50111795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老名 卓三郎 宮城県がんセンター研究所, 部長
長岡 利 岐阜大学, 農学部, 助教授 (50202221)
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Keywords | 牛乳 / α-ラクトアルブミン / コンフォメーション / アポトーシス / 培養細胞 / ロタウィルス / 細胞感染実験 / 動物感染実験 |
Research Abstract |
乳蛋白質による細胞のアポトーシス誘導は、頻繁に起こることが予想される感染などによる細胞の形質転換によって生体に不都合となった消化管細胞を速やかに排除するという生理的意義を有すると考えるのは合理的である。本研究は、α-LAのアポトーシス誘導活性発現に関与する分子構造と作用特性を明確に示すとともに、その生理的意義を動物実験によって検討することを目的とし、以下のような研究成果を得た。 (1)活性特性と構造相関:市販のα-LA標品を用いてIEC-6細胞の増殖への影響をWST-1法及びチミジン取り込み法で調べたところ、顕著な細胞増殖の阻害が濃度依存的に観察された。しかし、活性を示す濃度レベルは標品のロットに依存して変動し、0.5mg/mL以上で阻害が認められる場合もあれば、5mg/mLを必要とするもの、もしくは、全く不活性のロットもあり、特定の活性分子種の存在が示唆された。IEC-6にα-LAを30分程度曝すことにより細胞死が誘導され、市販キットによる検討から、この細胞死がアポトーシスによるものであることが確認された。このα-LAのアポトーシス誘導作用は50℃、30分間の加熱処理で顕著に低下し、還元アルキル化によって完全に消失した。Superdex75のゲルろ過を行い、市販のα-LA標品から活性分子種の分離を試みたところ、高分子量化したα-LAを含むフラクションには活性が認められず、単量体フラクションに活性が認められたことから、活性分子種はコンフォメーション変化を起こした単量体のフォールディング変異体であることが予測された。この変異体の分離をさまざまに試みているが、現在のところ適当な分離手法を確立するまでにはいたっていない。 (2)動物への投与の影響評価:ヒトロタウィルス感染の動物実験系を用いて、感染後のα-LA投与の影響を観察したが、下痢からの回復時間の短縮を認めるにはいたらなかった。これは、用いたα-LAのロットがアポトーシス誘導活性の低いものであったことが主な理由の一つと思われる。現在、活性分子種の精製を通して、動物投与の影響をさらに検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 金丸 義敬: "牛乳・乳成分の新しい機能(タンパク質)"乳業技術. 50. 22-37 (2000)
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[Publications] Shan-Ming Yang: "Unique occurrence of the 1CF11 carbohydrate epitope in primate saliva"Biosci.Biotech.Biochem.. 65・3. 714-718 (2001)
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[Publications] Shan-Ming Yang: "Human milk bile-salt-stimulated lipase is extremely reactive with the monoclonal antibody 1CF11 that recognizes a human-specific carbohydrate antigen"Biosci.Biotech.Biochem.. 65・4. 986-989 (2001)
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[Publications] 金丸 義敬: "A high-Mr glycoprotein fraction from cow's milk potent in inhibiting replication of human rotavirus in vitro"日本農芸化学会誌. 76・4. (2002)