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2001 Fiscal Year Annual Research Report

リグニン由来導電性材料の開発

Research Project

Project/Area Number 12876038
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

高井 光男  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50002019)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐野 嘉拓  北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10001463)
惠良田 知樹  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30213581)
Keywordsリグニン / ヨウ素 / ドーピング / 導電性 / ESR測定 / 電荷移動錯体
Research Abstract

木材中に存在するリグニンは完全な絶縁体であり、電気伝導性を付与できないという考えが常識であったが、前年度の報告通り、ヨウ素をドーピングすることにより電気伝導度が絶縁体の10^<-10>S/cm^2から一億倍ほど増大し、最高で約10^<-2>S/cm^2ほどの導電性を与えられることがわかった。本年度はヨウ素添加リグニンの導電性の機構について検討した。
オルガノソルブリグニンにヨウ素を重量比で1:4の割合で反応させた試料の導電率は3.00×10^<-4>S/cm^2であり、半導体並みであった。このヨウ素添加リグニンをESR測定すると導電性をもつ高分子に典型的に見られる非対称のスペクトルが得られた。ラマンスペクトルにはヨウ素添加後にI^<3->に由来するピークが現れたので、ヨウ素がI^<3->の形で存在していることが確認できた。この結果はヨウ素ドープによりUVスペクトルにI^<3->の吸収と考えられる290nmと360nmの大きな吸収ピークが観測されたことと一致する。つまり、ヨウ素がリグニンの分子軌道から電子を奪いI^<3->となり、リグニンとヨウ素間で電荷移動錯体が形成されたことが考えられる。
IRスペクトルでは、共役カルボニル基、共役二重結合の増加が観測されなかった。しかし、UVスペクトルにおいて、650〜750nm付近の緩やかな吸収がヨウ素を添加することにより長波長側の700〜780nm付近に移動することが観測された。したがって、導電性が向上したのはリグニン分子鎖上で共役構造の誘導が起こったせいではなく、ベンゼン環の凝集などのコンフォメーション変化が起き実効共役長が増加したためだと考えられる。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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