2000 Fiscal Year Annual Research Report
地理情報システムを用いた風蓮湖の実践的な環境評価システムの構築に関する学際的研究
Project/Area Number |
12876051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
鈴木 充夫 北海道東海大学, 教育開発研究センター, 教授 (30206536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 勝守 北海道東海大学, 教育開発研究センター, 助教授 (10259129)
上瀧 實 北海道東海大学, 工学部, 教授 (20244874)
谷野 賢二 北海道東海大学, 工学部, 教授 (10106768)
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Keywords | 家畜糞尿問題 / 地理情報システム / 環境評価 / 汚濁物質化拡散 / 数値流体解析 / 有限要素法 |
Research Abstract |
今年度は、1995年度の農業センサスの集落カードのデータから家畜糞尿の排出量と作物別の肥料成分必要量を根室支庁管内の根室市、浜中町、別海町の集落ごとに推計した。具体的には、センサスカードの家畜頭数に家畜一頭当たり年間糞尿排出量(一日当たり排出量×365)を乗じて求めた。次に、推定した年間総排泄糞尿量に乾物率と乾物中成分割合乗ずることにより、窒素、リン酸、カリの年間成分量を集落別に推計した。推計した年間窒素排出量の空間的広がりを把握するために、農業センサスの集落地図をデジタル化したベースマップを地理情報システムを用い作成した。その結果、対象とした地域では、年間窒素排出量が膨大であることが確認できた。 また、環境評価のための流れ数値解析として、今年度はデータ収集の関係から、風蓮湖に隣接する温根沼において流れ解析ならびに汚濁物質拡散の数値解析を有限要素法を用いて実施した。その結果、温根沼は河川からの流入よりも潮汐による大循環が支配的であり、河川から流入する汚濁物質は湖内全域に広がる可能性は少なく、潮汐により希釈される傾向にあることが分かった。 来年度は、風蓮湖のデータを収集し、同様の流れ解析ならびに汚濁物質拡散解析を実施し、水系環境の総合的な解析を実施する計画である。また、センサスカードより推計した汚濁物質濃度と数値解析を連動させ、時系列変化を考慮した解析を行い実践的な環境評価システムの構築を行う。さらに、漁業資源への影響に関する調査を実施し、農業廃棄物(糞尿)の排出量の推計→水系環境変化の予測→漁業資源への影響という総合的な地理情報システムの構築を目指す。
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