2000 Fiscal Year Annual Research Report
動物体内における脂肪分布の制御に関与する遺伝子群の解明
Project/Area Number |
12876067
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 義之 京都大学, 農学研究科, 教授 (10041013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 幸雄 京都大学, 農学研究科, 助手 (10252496)
山田 宜永 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40253207)
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Keywords | 脂肪 / 体内分布 / 遺伝的要因 / 筋肉内脂肪 / モデル動物 / QTL解析 / OLETF |
Research Abstract |
NIDDMのモデル動物として確立されたOLETFラットでは肥満を呈することが知られており、副睾丸、後腹膜、腸間膜といった腹腔内脂肪組織および皮下脂肪組織への脂肪蓄積量が増加している。OLETFとF344とのF_2インタークロスにおいて35週齢での副睾丸脂肪量、後腹膜脂肪量、腸間膜脂肪量、皮下脂肪量を測定し、約350個のマイクロサテライトマーカー座のタイピングを行うことで肥満遺伝子のQTL解析を実行した。第2番、8番染色体上の2つのQTLは腸間膜脂肪量のみに、第4、9、14番染色体上の4つのQTLは後腹膜脂肪量にのみ影響を及ぼすことが明らかにされ、脂肪蓄積に関わる遺伝子は体内部位によりそれぞれ異なっていることが示唆された。さらに最長筋組織より凍結切片を作成し、脂肪染色、画像解析を行うことで、OLETFラットは正常ラットであるF344に比べ筋肉内脂肪蓄積量が増加していると判明した。この表現型に関与する遺伝子を(OLETF×F344)F_2ラットを用いたQTL解析により検討した結果、第1番染色体上にLODスコア=3.4をもつQTLが存在することが示された。このQTLは筋肉内脂肪量に特異的に関与する主効果遺伝子であると考えられた。また、この遺伝子は筋肉内脂肪量のF_2における全遺伝分散の約10%を説明するものであり、その脂肪量の増加に対しOLETF由来のアリルが劣性様式で働いていると判明した。RATMAP、MGD、GDBといったゲノムデータベースを利用することで、QTLが存在するゲノム領域における肥満・脂肪蓄積関連遺伝子の情報を得て、候補遺伝子について調査した結果、α2adrenergic receptor遺伝子が有望なpositional candidateであると考えられた。さらに、このQTLゲノム領域はpfat3、DAHL3、Dmolという既知の肥満QTLの染色体領域と一致していた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Narita,A: "Dissociation of epistatic effects involved in fasting and postprandial hyperglycemia"Res.Commu.Mol.Pathol;Pharmacol.. 107. 79-88 (2000)
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[Publications] Taniguchi,Y.: "Analysis of expressed sequence tags from a cDNA library of somatic nuclear tansfer derived cloned bovine whole fetus"Anim.Genet.. in press.
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[Publications] Yamada,T.: "Identification of Epistatic Interactions Involved in Non-Insulin Dependent Diabetes Mellitus in the Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty Rat."Exp.Anim.. in press.
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[Publications] Ogino,T.: "Genetic evidence for obesity loci involved in the regulation of body fat distribution in obese type-2 diabetes rat, OLETF"Genomics. 70. 19-25 (2000)
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[Publications] Abe,Y: "Functional analysis of five endothelin-B receptor mutations found in human Hirschsprung disease patients"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 275. 524-531 (2000)
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[Publications] Oishi,M.: "Characterization of gene expression in bovine adipose tissue before and after fattening"Anim.Genet.. 31. 166-170 (2000)