2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性非ポリポーシス大腸癌患者における胃癌・乳癌治療に関する基礎的研究
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12877041
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
新井 正美 財団法人 癌研究会, 癌研究所, 研究員 (20232027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 昭夫 財団法人 癌研究会, 癌研究所・病理部, 主任研究員 (30137963)
加藤 洋 財団法人 癌研究会, 癌研究所・病理部, 部長 (20010473)
武藤 徹一郎 財団法人 癌研究会, 癌研究所, 部長 (20110695)
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Keywords | HNPCC / 胃癌 |
Research Abstract |
平成13年度は前年度に引き続き、以下の検討を行った。 1. Japanese Clinical Criteria (JCC)を満たすHNPCC患者に発症した胃癌(以下HNPCC胃癌)におけるマイクロサテライト不安定牲(MSI)試験を行った。その結果、高率にMSIが陽性になることが示された。従って、免疫組織化学の結果と併せ、HNPCC胃癌において、HNPCC患者の大腸癌と同様にミスマッチ修復の異常が発癌に関与していることが示唆された。一方、大腸癌の家族歴のない胃癌と大腸癌の合併症例の中にも、頻度は低いものの、両者にMSI陽性および同じ蛋白の免疫組織化学的異常を有する症例があることが明らかになった。これらの症例の臨床病理学的検討を今後行う予定である。 2. 症例拾い上げのための臨床基準の再検討を行った。過去2年間の大腸癌手術症例のうち、JCCを満たす症例(症例全体の9.5%)の、約32%がMSI陽性であったのに対して、Bethesda Guideline(BG)を満たす症例(同18%)では、17.7%であった。また、ミスマッチ修復関連蛋白(MSH2とMLH1)の免疫組織化学の結果と、MSIの異常は約90%の相関を持っており、簡便なスクリーニングとして、免疫組織化学の有用性が示された。 3. ミスマッチ修復遺伝子異常と放射線感受性の検討の準備。ノックアウトマウスの飼育交配、照射線量や発癌方法等の実験デザインを作成、準備中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 新井正美: "MSl陽性を示した放射線誘発大腸癌の1例"胃と腸. (発表予定). (2002)
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[Publications] Y.Sakai: "Familial adenomatous polyposis associated with multiple endocrine neoplasia type 1-related tumors and thyroid carcinoma"The American Journal of Surgical Pathology. 26・1. 103-110 (2002)
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[Publications] 新井正美: "家族性胃癌"日本臨牀. 59・増刊号4. 251-256 (2001)
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[Publications] N.Umetani: "Superficial depressed early carcinoma that developed into protuberant advanced carcinoma in the transverse colon"J Gastroenterol. 36・1. 48-51 (2001)
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[Publications] T.Muto: "Colorectal cancer statistics in Japan : data from JSCCR registration, 1974-1993"Int J Clin Oncol. 6・4. 171-176 (2001)
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[Publications] 藤井茂彦: "sm massive以深に浸潤した10mm以下の大腸癌の分子病理学的特徴"胃と腸. 36・11. 1363-1370 (2001)
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[Publications] 坂井雄三: "多発大腸癌の分子生物学的特性,Microsatellite Instabilityを中心に"癌の臨床. 47・3. 233-239 (2001)
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[Publications] 山本智理子: "微小リンパ節転移の臨床的意義"早期大腸癌. 5・3. 275-278 (2001)