2000 Fiscal Year Annual Research Report
プリオン蛋白特異的モノクローナル抗体を用いたプリオン病の血清学的診断方法の確立
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12877052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北本 哲之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20192560)
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Keywords | プリオン蛋白 / 可溶性プリオン蛋白 / ノックアウトマウス / モノクローナル抗体 / ELISA法 |
Research Abstract |
プリオン蛋白の高い感度のイムノアッセイ法の確立を目指して、平成12年度は可溶性プリオン蛋白の精製とそのモノクローナル抗体の作製を行った。簡便なELISAシステムの確立のためには、標準となる可溶性蛋白が必要である。プリオン蛋白は、GPIでアンカーを受けた膜表面蛋白であり、S-S結合を1つ持つ蛋白である。レコンビナント蛋白として、大腸菌で発現させた場合従来多く試されている細胞質内での発現系では、S-S結合も形成されず不溶性の蛋白としてのみ回収できるだけで、ほとんど可溶性とはならなかった。今年度は、ペリプラズマへの発現系を確立し、プリオン蛋白のコドン122-230までのフラグメント化したレコンビナント蛋白として発現させることによって、初めて可溶性のヒト型プリオン蛋白の高発現系の開発に成功した。また、可溶性プリオン蛋白は、ペリプラズマだけでなく培養液中に分泌され、可溶性プリオン蛋白を10-20mg程度精製するという大量の精製系の確立にも成功した。このようにして得られたヒト・プリオン蛋白を用いて、プリオン蛋白のノックアウトマウスに免疫しエピトープの異なる3種類のモノクローナル抗体の作製に成功した。これらのモノクローナル抗体は、レコンビナント蛋白だけでなく、脳内のプリオン蛋白もWestern blotで検出できる、高い親和性を有する抗体であることが確かめられた。来年度は、今年度作製したモノクローナル抗体を用いてのELISA法の確立を検討する予定である。可溶性プリオン蛋白の発現系の確立によって、順調に新しいモノクローナル抗体の作製が進んでおり、研究の進捗状況は順調である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Konaka K,Kaido M,Okuda Y,Aoike F,Abe K,Kitamoto T,Yanagihara T: "Proton magnetic resonance spectroscopy of a patient with Gerstmann-Straussler-Scheinker disease"Neuroradiology. 42(9). 662-5 (2000)
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[Publications] Nakamura Y,Yanagawa H,Kitamoto T,Sato T: "Epidemiologic features of 65 Creutzfeldt-Jakob disease patients with a history of cadaveric dura mater transplantation in Japan"Epidemiol Infect.. 125(1). 201-5 (2000)
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[Publications] Kitamoto T: "Creutzfeldt-Jakob disease"Neuropathology. 20 Suppl. S52-4 (2000)
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[Publications] Muramoto T,Tanaka T,Kitamoto N,Sano C,Hayashi Y,Kutomi T,Yutani C,Kitamoto T: "Analyses of Gerstmann-Straussler syndrome with 102Leu219Lys using monoclonal antibodies that specifically detect human prion protein with 219Glu"Neurosci Lett.. 288(3). 179-82 (2000)