2000 Fiscal Year Annual Research Report
地域・職域における睡眠障害の把握およびその循環器疾患に及ぼす影響に関する疫学研究
Project/Area Number |
12877066
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷川 武 筑波大学, 社会医学系, 講師 (80227214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 直子 大阪回生病院, 睡眠医療センター, 医師
嶋本 喬 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50143178)
磯 博康 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (50223053)
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Keywords | いびき / 血圧 / 睡眠呼吸障害 / 睡眠 / 循環器疾患 / 地域 |
Research Abstract |
本年は、睡眠時の呼吸障害の症状である「いびき」の頻度と血圧値との関連を検討することを目的とした調査を実施した。秋田県の某町で、循環器検診を空腹時に受診した59歳以下の男性のうち、高血圧治療中の者を除いた150名(22歳〜59歳、平均年齢48歳)を対象者として、自記式質問紙を配布し、過去3ヶ月間のいびきの頻度別に、第1群「ほぼ毎日」33名、第2群「週1〜5日」55名、第3群「週1日未満」19名、第4群「かかなかった」43名に分けた。 共分散分析により年齢のみを調整した場合は、4群間で最小血圧値に有意差が認められ(p=0.02)、第1群(平均値91mmHg、以下同じ)と第2群(83mmHg)、第3群(84mmHg)間の差も有意であり(各々、p=0.002とp=0.03)、いびきをかく頻度が高い群で血圧が高かった。いびきの頻度と飲酒量との間に関連はなかったが、BMIとの間に正の関連が認められたため、年齢とBMIを調整したところ、4群間の差は縮まった(p=0.07)。なお、いびきの頻度と最大血圧値との関連は、認められなかった。 本研究によって、いびきをほとんど毎日かく者は、かかない者と比較して最小血圧値の平均値が高かく、この関連は、一部BMIの影響を介していると考えられたが、いびき自体による血圧上昇の可能性も残されていることが考えられた。この結果に基づいて、茨城県の某町の基本健康診査において約3400名を対象とした大規模な質問紙調査を実施し、現在いびきの頻度と血圧との関連を統計解析中である。
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Research Products
(1 results)