2001 Fiscal Year Annual Research Report
磁気駆動型医用マイクロロボットを用いた癌に対する超高温温熱療法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12877135
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 章吾 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60158194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 良尋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50107653)
松木 英敏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70134020)
荒井 賢一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40006268)
根本 健二 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10208291)
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Keywords | 癌 / マイクロロボット / 放射線療法 / 超高温温熱療法 / MRI / 基礎研究 |
Research Abstract |
私どもの用いるマイクロロボットは生体外から印加する磁場を駆動源とする最小でミリサイズの自立運動可能な磁気マイクロ・アクチュエータと、その位置を生体外で高精度・高感度で検出するセンサよりなるもので、生体内での医薬品の搬送や生体組織の採取、生体内情報発信などを目的として開発されている。私どもはこのマイクロロボットを用いて、癌組織の中でも特に放射線抵抗性である、壊死巣周辺の低酸素細胞領域を超高温で凝固、破壊する方法を考案してきた。本ロボットを用いての生体内加温の条件は未だ整っていないため、昨年〜今年度にかけてラジオ波焼灼術用のRTCジェネレータとその穿刺針を使用して、ウサギ肝の超高温加温後の変化を組織学的に検討し、MRIにて画像上の変化を追跡した。使用したウサギは22羽で穿刺針先端を100℃以上に加温し、経時的に組織およびMRI画像の変化を観察した。加温3日目では病変部の径の平均は20mmで中心部分は赤褐色調を呈し、辺縁部は乳白色調であった。HE染色で中心部分の肝細胞は核の消失ないし高度の濃染・凝縮が見られたが、辺縁部分では細胞・核の形態は保たれていた。2週間後および1ヶ月後の組織では病変内の変性に進行が見られ、ほとんどの領域で核消失を見とめたが、辺縁部には形態の保たれている細胞が残存していた。一方3日後のMRIT1WI画像では病変部と繊維性被膜と考えられる薄い線状の底信号域で肝と境されていて、内部は肝と等信号を呈する部分に粒状ないし索状の低信号域が混在していた。2週間後および1ヶ月後のT1WIでは領域内は周囲肝実質より低信号を呈していて、T2WIでは比較的厚い層状の高信号域で境された低信号の構造として見られた。現在、組織所見とMRI所見との詳細な比較を行っており、超高温加温の組織学的変化をMRIにて同定する方法を考案している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nemoto, K: "Radiation therapy with uneven fractionation for malignant gliomas. Oncology Reports 8 : 103-106, 2001"Oncology Reports. 8. 103-106 (2001)
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[Publications] Nemoto, K.: "Phase Ia study of a hypoxic cell sensitizer doranidazole (PR-350) in combination with conventional radiotherapy. Anti-Cancer Drugs 12 : 1-6, 2001"Anti-Cancer Drugs. 12. 1-6 (2001)
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[Publications] Teruyama, K: "Role of transcription factor Est-1 in the apotosis of human vascular endothelial cells"J Cellular Physiology. 188. 243-252 (2001)
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[Publications] Teruyama K.: "Neurophilin-1 is a downstream target of transcription factor Ets-1 in human umbilical vein endothelial cells"FEBS Letters. 504. 1-4 (2001)
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[Publications] Nemoto, K.: "Radiation therapy for loco-regionally recurrent esophageal cancer after syrgery"Radiother Oncol. 61. 165-168 (2001)
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[Publications] 山田章吾: "低線量率または超多分割法による定位放射線治療法に開発とその臨床応用"INNERVISION. 16・6. 278-281 (2001)
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[Publications] 山田章吾: "放射線医学臨床実習書"東北大学出版会. 257 (2001)