2000 Fiscal Year Annual Research Report
磁石圧迫吻合術(山内法)の成因解明と血管応用への研究
Project/Area Number |
12877147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
山内 栄五郎 東京女子医科大学, 医学部・内科系・放射線医学, 講師 (90220433)
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Keywords | 磁石圧迫吻合術 / 山内法 |
Research Abstract |
磁石圧迫吻合術は吻合しようとする臓器内に強力な永久磁石をそれぞれ1個づつ入れ吸着させ合い、吻合を形成しようとする非手術的療法(Interventional Radiology;IVR)のことである。この手法を思いつくにいたったきっかけは今から11年前の小児の貼付用磁石治療器具(ピップエレキバン)の誤嚥による腸閉塞症例において、吸着しあった磁石同士の部分に吻合が形成されていたという事実に基づいている。この手法によれば手術せずにさまざまな腸管吻合を作ることが可能であり、臨床の各分野において応用可能なことから各科より広く注目を浴びている。またやがては磁石を留置した後、在宅のまま吻合の完成を待つということも行われるようになると思われ、高齢化社会を見据えた治療としても大きな期待が持たれている。この手法は既に臨床例で40例以上の経験を持っており、その成功率も極めて満足行くものであるが、その成因メカニズムは未だ未解明である。また血管応用への可能性などについては未だ不明である。よって、この研究はこのメカニズムの解明と血管応用への可能性を調べることを目的とした。 メカニズムの解明モデルとしてラットの結腸間に磁石を2ヶ留置し、吻合形成を経時的に追い、その時にどのような変化が起きているか病理組織学的に検討した。磁石吸着後48時間以内に強いapoptosisが磁石辺縁の腸管粘膜に誘導されているのが認められた。これは組織の改変に伴う変化と考えられ、これにより非常に滑らかで炎症のない吻合が形成されるものと推測された。血管吻合のモデルとして雑種成犬を用い、開腹下に門脈内と下大静脈内に磁石を留置し、吸着させ門脈-下大静脈シャントが形成されるか観察した。 うまくいった例ではシャントが形成され、血管吻合の可能性が示された。
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Research Products
(1 results)