2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12877160
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高倉 伸幸 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (80291954)
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Keywords | 造血幹細胞 / 臍腸間膜動脈 / P-Sp / 自己複製 / クローニング |
Research Abstract |
造血幹細胞は多分化能および自己複製能を有することより骨髄移植や遺伝子治療におけるターゲット細胞になっている。そこで臨床応用にむけて、造血幹細胞の試験管内での増幅が期待されている。しかし現在、造血幹細胞の分化を抑制し、自己複製のみを誘導する成長因子は同定されておらず、新規幹細胞因子の単離が切望されている。本因子の同定を試みるため、造血幹細胞がマウスの生体内で最も増殖する領域を探索したところ、それは造血幹細胞の発生が最も早期に観察される、胎生9日の臍腸間膜動脈であることが判明した。本動脈内では造血幹細胞が血管内皮細胞に接着、増殖することから、幹細胞因子が豊富に分泌されている可能性を示唆する。そこで本動脈から抽出したmRNAをもちいcDNAライブラリーを作成し、シグナルトラップ法を用いて、分泌型の蛋白に焦点を絞り、新規遺伝子のクローニングを行なう。得られた新規遺伝子については発現ベクターに組み換え、COS細胞へ遺伝子導入し、可溶性蛋白を精製する。これら分子を血管内皮細胞、造血細胞の発生が両者とも支持できる培養系であるP-Sp(傍大動脈臓側板中胚葉)領域の組織片を用いた器官培養に添加し、造血幹細胞の発生、増殖にいかに関与するかを検討する。現在までに、解析した酵母クローン200万個中、新規の遺伝子を25クローン同定した。in situ hybridizationにて臍腸間膜動脈、背側大動脈、胎仔肝に特異的に発現する遺伝子に絞り込み、全長の遺伝子クローニングを行った。それらの中でもCD34と類似した新しいsialomucin分子、kunitz inhibitor domainを有するproteinase inhibitor-like分子などが同定された。これらはすでに可溶性の蛋白として精製を終え、現在機能解析中であり、さらにクローニングを継続して行なう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takakura N: "Critical role of the TIE2 endothelial cell receptor in the development of definitive hematopoiesis."Immunity. 9. 677-686 (1998)
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[Publications] Hamaguchi I: "In vitro hematopoietic and endothelial cell development from cells expressing TEK receptor in murine aorta-gonad-mesonephros region."Blood. 93. 1549-1556 (1999)
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[Publications] Oike Y: "Mice homozygous for a truncated form of CREB-binding protein exhibit defects in hematopoiesis and vasculo-angiogenesis."Blood. 93. 2771-2779 (1999)
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[Publications] Takakura N: "A role for hematopoietic stem cells in promoting angiogenesis."Cell. 102. 199-209 (2000)
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[Publications] Hamada K: "VEGF-C signaling pathways through VEGFR-2 and VEGFR-3 in vasculo-angiogenesis and hematopoiesis."Blood. 96. 3793-3800 (2000)
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[Publications] Yamada Y: "Exogenous clustered neuropilin 1 enhances vasculogenesis and angiogenesis."Blood. (in press). (2001)