2000 Fiscal Year Annual Research Report
Concordant異種移植における遺伝子導入による免疫反応制御の研究
Project/Area Number |
12877175
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
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Keywords | 異種移植 / Concordant / CTLA4Ig / CD40Ig / ラット / ハムスター / 肝臓 / 心臓 |
Research Abstract |
Concordant異種移植におけるCD40IgおよびCTLA4Ig遺伝子治療の効果を検討した。Golden Syrian Hamsterをドナー、LEW(RT1^1)ラットをレシピエントとした。 1.肝移植 無治療群(G-I)、コントロールベクター(AdLacZ)1x10^9pfu投与群(G-II)、CD40Ig遺伝子組込みアデノウイルスベクター(AdCD40Ig)1x10^8pfu投与群(G-III)、CTLA4Ig遺伝子組込みアデノウイルスベクター(AdCTLA4Ig)1x10^8pfu投与群(G-IV)、AdCD40Ig 1x10^9pfu及びAdCTLA4Ig 1x10^9pfu併用投与群(G-V)を作成し、グラフト生着日数を検討した。なお、各ベクターは移植直後に陰茎静脈より単回投与し、各群n=3-6とした。G-I及びG-IIのグラフト生着日数(中央値)は、共に6.5日であった。AdCD40Ig治療群(G-III)及びAdCTLA4Ig治療群(G-IV)では、グラフト生着日数(中央値)はそれぞれ7日と8日でコントロール群に対し統計学的有意差を認めなかった。しかし、AdCD40Ig及びAdCTLA4Ig併用(G-V)によりグラフト生着日数(中央値)は47日まで延長し、最長で86日間の生存が得られた。以上から、AdCD40Ig及びAdCTLA4Igを併用する遺伝子治療はConcordant異種肝移植に対し有用であることがわかった。 2.心移植 肝移植実験同様、無治療群(G-I)、AdLacZ 1x10^9pfu投与群(G-II)、AdCD40Ig 1x10^8pfu投与群(G-III)、AdCTLA4Ig 1x10^8pfu投与群(G-IV)、AdCD40Ig 1x10^9pfu+AdCTLA4Ig 1x10^9pfu投与群(G-V)を作成し、グラフト生着日数を検討した(各群n=1-6)。G-I及びG-IIのグラフト生着日数(中央値)は、共に3日であった。各遺伝子治療群のグラフト生着日数(中央値)は、G-III:3.5日、G-IV:3.5日、G-V:4日で、心移植にではいずれの遺伝子治療を行ってもグラフト生着期間は延長せず、代謝拮抗剤など何らかの付加治療が必要であると考えられた。
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