2000 Fiscal Year Annual Research Report
癌血行性転移と血小板型(HPA)との相関性についての臨床的検討
Project/Area Number |
12877177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名川 弘一 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80228064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津野 ネルソン 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50282637)
北山 丈二 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20251308)
柴田 洋一 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30010474)
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Keywords | 血小板型 / 接着分子 / 癌転移 / ハプロタイプ |
Research Abstract |
血小板は、血中に遊離した癌細胞と接触し活性化をされると、癌の転移に有利に働くことが示唆されている。このメカニズムはまだ解明されていないが、P-SelectinやαIIβ3 integrinに代表される血小板上の接着分子が活性化され、癌細胞と血管内皮細胞との接着を直接的、間接的に増強し、癌の標的臓器への着床効率を高めることが主な原因であると考えられている。血小板には白血球と同様に何種類かのアロタイプが存在し、Human platelet antigen(HPA)として、現在6種類につきタイピングが可能である。この血小板アロタイプのほとんどは細胞接着に関与する接着分子上に存在し、転移の形成能と何らかの関係があることが推測されるため、本研究では、実際の癌患者でHPAと転移の相関性を検討中である。 現在までに、大腸癌12例、胃癌4例、乳癌2例につき解析が終了しているが、被検者(担癌患者)と健常人(非がん患者)との間にHPAに片寄りはない。転移との相関は検体の数がまだ少ないため、未知であるが、大腸癌12例中4例に転移があり、この4例はいずれも、HPA1-b/b、HPA3-b/bを示していた。日本人におけるHPA1-b/b、HPA3-b/bの頻度がともに数%-10数%であることを考えると興味深い現象であると考えられ、追加検討中である。
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