2001 Fiscal Year Annual Research Report
大腸欠落症状に対する新しいDrug delivery systemによる薬剤開発
Project/Area Number |
12877185
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福島 浩平 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20271900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟山 裕士 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (50192315)
内藤 広郎 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90180223)
佐々木 巌 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
笹野 公伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50187142)
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Keywords | 大腸全摘 / ミネラルコルチコイド / アルドステロン |
Research Abstract |
本研究の面的は、大腸全摘後の難治性下痢に対して新しいDrug Delivery Systemを用いて残存小腸に高アルドステロン(Ald)状態を作り出し、術後のQOLを左右している排便状況の改善をはかろうとするものである。局所の高Ald状態が残存小腸におけるNa吸収能の亢進に直結するか否かを検討するために、昨年度行ったNa欠乏食投与実験(内因性高Ald血症モデル)に続き、ALZET Infusion Pumpを皮下に埋め込み外因性Ald持続投与モデルを作製した。経時的に小腸上皮を分離しRNAを抽出、Aldの感受性を司る11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 2(11β-HSD2)の発現につき検討した。その結果、遠位回腸では大腸全摘術後およびNa欠乏食投与と同様、Ald外因性投与によりノザンブロットにおいて11β-HSD2の発現が著しく亢進した。そこで、T84を大腸全摘術後の血中濃度に相当する10^<-8>MAIDおよび10^<-6>Mデキサメタゾン(Dx)で刺激したところ、定量的RT-PCRにおいて両者ともに11β一HSD2の発現誘導が認められた。受容体の選択性を調べるために・spironolactoneでミネラルコロチコイド受容体をRU386によりグルココルチコイド受容体をブロックして10^<-6>MDxで刺激すると前者で11β-HSD2の発現誘導が完全に抑制されることから、上皮細胞におけるAldを介したミネラルコルチコイドアクションが11β-HSD2の誘導に重要であると考えられた。以上の結果は、残存小腸局所に高Ald状態を作り出すことにより、Naと水分吸収増加をはかるという我々のストラテジーの妥当性を示すものと考えられた。
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