2002 Fiscal Year Annual Research Report
直腸癌手術での神経合併切除による膀胱性器機能回復を目的とした神経自家移植
Project/Area Number |
12877195
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
萩原 明郎 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90198648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪倉 長平 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10285257)
山岸 久一 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40128723)
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Keywords | 直腸癌 / 手術 / 膀胱機能 / 性器機能 / 神経機能 / 機能再建 / 神経移植 / 人工神経 |
Research Abstract |
直腸癌等の根治手術では、骨盤部の神経を合併切除する場合があり、その結果切除神経の機能障害に基づく術後のQOLの悪化が避けられない。この機能再建の目的で神経自家移植と再生チューブを開発し臨床応用した。再生チューブは生体内で分解される乳酸ポリマーの内空をコラーゲンスポンジで充填した構造で、末梢神経線維がこれに沿って再生する。犬を用いた実験で、8cm坐骨神経を神経再生チューブで再建し、形態学的に神経線維が再生し、電気生理学的にも神経機能の再生が確認された。(臨床応用例)Rb領域のリンパ節転移陽性直腸癌に対する低位前方切除術の後、左内腸骨動静脈領域に局所再発した患者である。以前から右股関節を中心に下肢の運動が不自由で、左脚に頼って歩行を行うなど、不自由な右脚の運動を左脚が補っていた。そのために、左股関節から左大腿部の運動制限を少しでも起こせば、術後の歩行機能が非常に悪くなる恐れがあった。2002年2月1日に左内腸骨動静脈領域の直腸癌再発に対して手術を施行した。左内腸骨動静脈、左尿管、左閉鎖動静脈、膀胱左側半分、及び前回手術で再建に用いられた結腸・直腸を切除し、人工肛門を造設した。この切除操作により左閉鎖神経を合併切除した。左閉鎖神経の切除部分25mmを、直径4mmの神経再生チューブにより架橋した。手術直後は筋力を認めず、用手的介助により左脚の内転・内旋の運動が可能な状態であった。また左閉鎖神経支配領域の皮膚知覚は著しく鈍磨していた。その後経時的に左脚内転・内旋の運動機能の改善を認め、5月後の現在、左脚の内転・内旋機能と歩行機能は術前と同様となった。しかし皮膚知覚は術直後に比較して明らかに改善を認めるものの、若干の異常知覚を残している。この症例では、神経合併切除術により一時的に悪化した左脚の運動機能は、経時的に改善し、最終的には術前と同様にまで回復した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 萩原明於: "神経再生チューブを用いた神経再生"最新医学. 58・1. 108-113 (2003)
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[Publications] 萩原明於: "再発直腸癌手術の神経合併切除における神経機能再建"治療. 84・11. 2830-2831 (2002)
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[Publications] 萩原明於: "直腸癌骨盤部再発の手術における神経合併切除部位に対する神経再生デバイスの臨床応用"癌と化学療法. 29・12. 2202-2204 (2002)