2001 Fiscal Year Annual Research Report
転移性脊椎腫瘍に対するRF加温を用いた最小侵襲による治療法の開発
Project/Area Number |
12877220
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武田 直樹 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (80227032)
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Keywords | 温熱療法 / 転移性骨腫瘍 / 最小侵襲手術 |
Research Abstract |
小動物(ラット、マウス)実験用のRF温熱療法用装置を試作した。その加温特性を寒天ファントムを用いた実験で調査したので、報告する。 【材料と方法】加温システム:高周波電源(RF-300、東京ハイパワー社)は13.56MHzの周波数を発生でき、これに負荷整合装置を接続し、高周波発生装置とした。筋肉等価寒天ファントム(組成重量:寒天末;4%、食塩;0.24%、水;95.76%)を作成し、サイズを150×150×100mmに切り出した。電極(正方形、サイズ50×50×0.04mm)をファントム上に設置した。外部電極との間に周波数8.5〜90Mhz、出力5Wで2分間加温した。加温終了10秒後のファントム断面の表面温度分布、深さ1cmでの温度分布を、熱電対温度計(BAT-10、 バクスター社)にて記録した。 【結果】ファントム(電極)表面では、42°から47℃で温度上昇が記録された。電極の辺縁部では中心部に比べて、4℃程度温度上昇を認めた。深さ方向では深さ1cmでは表面の温度上昇の50〜60%であった。 【考察】小型のRF発生装置を用いて小動物用のRF温熱療法用装置を試作した。電極表面では42°〜47℃の温度上昇が得られ、治療域までの温度上昇が可能であることが証明された。しかし温度の上昇域は不均一であり、電極辺縁で温度が上昇していた。これには電極辺縁部に絶縁体を貼ることにより対処できた。また電極から1cm離れた所では、急速に温度の低下がおこった。これに対する対処としては、被加温体内にアースされた金属(加温針)を刺入し、針周囲への電磁波の収束性を高め、針周囲の温度を上昇させる方法が考えられる。
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