2000 Fiscal Year Annual Research Report
超微弱自然発光(生物フォトン)のスペクトラム分析による新たな癌診断の実験的研究
Project/Area Number |
12877253
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
横山 修 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (90242552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高 栄哲 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (90283134)
小松 和人 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (80291368)
打林 忠雄 金沢大学, 医学部, 助教授 (90151894)
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Keywords | 生物フォトン / 微弱発光 / 癌診断 |
Research Abstract |
生物が非常に微弱な光(生物フォトン)を発していることが判明してきた.これは肉眼で感知できない微弱な光であって,極限的な極微弱光計測技術によって近年明らかにされたものである.生物フォトンはこれまで知られていない,新しい生体光情報であって,その生物学的意義には不明の点が多い.申請者らは生物フォトンの詳細な分析によって,新しい癌診断に展開する可能性があると考えるに至り,本研究を始めた. 1)in vitroの実験系として樹立した膀胱癌培養細胞KK47における経時的生物フォトンの測定を行う.フローサイトメトリーを併用し細胞の増殖との関連を探った結果,細胞周期と生物フォトンとの間に明らかな関連は認められなかった.ただし,様々な条件下での培養を行ったところ,細胞増殖の盛んな時期におけるフォトン検出が高い傾向が認められた. 2)膀胱癌培養細胞KK47において生物フォトンのスペクトル分析を行い正常細胞との間にスペクトル上の差が認められるかを測定したが明らかな差異は現在まで認められていない.今後さらに多くの培養細胞系で同様の検討を行う. 3)in vivoモデルで再現可能かどうかを知るため,ヌードマウス移植腫瘍からの生物フォトンを計測し,腫瘍と正常部でのフォトン強度の差異があるか否か解析する.in vivoでは腫瘍からのフォトンは正常部に比べて強い傾向が認められた.結果をマッピングする事により,肉眼では確認できない腫瘍細胞の浸潤範囲をトレースすることが可能であった.これは新たな癌診断への可能性を示唆するものと考えられた.
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